科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で、世界を変えるような輝かしい偉業を成し遂げながら、歴史の陰に隠れがちだった女性科学者50人にスポットをあて、バイタリティあふれる人生や活躍をチャーミングなイラストとともに紹介した書籍。

差別や競争にさらされながらも、情熱のままに研究を続けた女性たち50人の物語がおさめられています。
これだけの実績と才能があるのに、名前も知らなかった人がほとんどであることにも驚かされました。
歴史、とりわけSTEMの分野でいかに女性が正当に評価されてこなかったのか。
しかし、ここで紹介されている女性科学者たちは皆、そうした差別に屈することなく自分自身を信じて研究を続けます。
彼女たちにスポットを当てることは、埋もれた歴史を見つめ直し、理想を目指して努力することの大切さを私たちに教えてくれます。

そして、科学の分野での女性差別は決して終わった過去のものではなく、今も根強く存在しています。
本の中では、2011年時点の理系の学生の男女比やSTEM労働人口の大きなジェンダーギャップにも触れられていますが、この本を読んだ後では、それが能力や才能のギャップではなく、差別によるものだということがわかるはず。だって、ここで紹介されている女性たちのように、古代から現代まで、科学の分野ではたくさんの女性たちが活躍してきたのですから。
科学は誰かを傷つけるためではなく、様々な問題を解決し、世界を発見していくもの。
子どもにも大人にもWonderが刺激され、科学が身近に感じられる素敵な本です。