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女性の皆さん。あなたならどうします?

アンティル2016.05.02

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 最近よく男について考える。本当に不思議だ。なんて思慮深くないだろう。考える頭を持たずに堂々と威張って歩ける生物は不思議であり滑稽でもある。

 男が作る社会=社会。そんな縮図である会社という組織に勤めたことがある人なら、思わない読者はいないのでは?“理解不可能”って。

 私が会社員の時、お得意様と同僚Aがもめにもめ、上司にお得意様担当者からクレームが入った。取引を打ち切るかAを変えろと連絡だ。Aが担当者に取った態度が問題になったのた。しかし、Aは上司の大のお気に入り。Aを外せば上司の上司に報告しなくてはならない。そうなると、大ごとになりAは左遷させられる。それを食い止めるべく、私が送り込まれた。
 私が新担当になり、Aはサブ担当に付くという形にし、“お得意様のフォローを手厚くしました”という図式にして、穏便にすませようとしたのだ。しかしAと担当者は険悪のまま。私が間に入りAの出番を極力減らし取引をしていた。仕事以外のしなくてもいい気遣いが続いた。そして半年後、事件は起こった。Aが担当者にとんでもない発言をしたのだ。その場で私がいなしたら、Aがまさかのブチ切れ!それを見た担当者がAを外せと上司の上司にクレームを入れたのだ。もしAを外せないなら、取引は終了という最終通告だ。

 さて、女性の皆さん。あなたならどうします?

 私は上司に報告し、Aをいなした理由、Aがどんな態度を担当者にしたのかを報告した。担当者も私を心配し、Aの態度を非難しつつ、私を信頼しているのでAを外せば取引は続けると言ってくれた。それなのに・・・それなのに・・・・!
 事情聴取が始まり、Aは上司に呼ばれ、こう報告したという。「そもそもアンティルの仕事の仕方が気に入らない。あの日の担当者との打ち合わせに対しても不満があった、積もりに積もっていた不満が出てしまった。どんな仕事の仕方かというと・・・・・」反省の色なし。そして、私への事情聴取がないまま、上司と上司の上司はこんなストーリーを作ったのだ。

 「得意先の担当者の前でAとアンティルが喧嘩した。この問題はAとアンティルの個人的な問題だ。そもそも相手の担当者は女だからナーバスで、Aはそこまでひどい男ではない。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 意味不明!支離滅裂!出ました!!男の論理!!!Aも上司も上司の上司も皆、男。Aの態度の問題のはずが、わかりやすい人間関係のもつれに矮小化される。
 こういう場合、上司の保身や男同士の絆を優先され、意図的に問題が矮小化される場合と、一番考えなくてもいい都合のいい筋書き、喧嘩両成敗に落とし込まれるかのどちらかだ。今回は上司が前者、上司の上司は後者。これまでにも何度も体験した理解不能な男達の論理。

 今回のことで、私は改めて思った。男は深く“複雑なこと”は考えられないのだ。それでも生きていける。男同士の暗黙のルールは崩れない。それはこの社会が男の脳と同じ仕組みで回っているからだ。仕組みが壊れれば男は生きられない。

 最近の私のお気に入りの鮮やかな黄緑スニーカー。黄緑以上の鮮やかな色。この“男にしては珍しい(?)色”のスニーカーに、男たちが異様に反応する。みんな靴を見て何かを言う。男が履くような色ではないのか?“男の色”という部類に入らないからか?とにかく気になるようだ。そして男の思考がそのまま現れるような反応をする。その中で特に印象的だったのが、

 「カラフルですね」

 最近知り合いになった知人と、始めてご飯を食べに行った時に言われた「カラフル」ですね。男脳でどうにか絞り出した、この靴へのリスペクトを表現した言葉が「カラフルですね」。
 この言葉を聞いた時、私はAのことで悶々としていた気持ちに整理がついた。男には男が思い、描く世界以外は、理解のできないカラフルな異世界なのだ。それを理解しろと言われても無理。努力するのも無駄なのだ。しかし、私達はこの社会で生きている。男脳の中で生きることを非いられる。どうしたらいいんだ。だからといって男を変えるのは不可能だ。女脳を持つ見かけが男の私。今できるのは、この女脳を男脳の影響を受けることなく、柔らかく、複雑なキレイな女脳の皺を保つことだけ。けして男には奪われたくない。

 読者のみなさん、あなたは男脳にやられていませんか?

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アンティル

アンティル(あんてぃる)

ラブローター命のFTM。
数年前「性同一性障害」のことを新聞で読み、「私って、コレかも」と思い、新聞を手に埼玉医大に行くが、「ジェンダー」も「FTM」という言葉も知らず、医者に「もっと勉強してきなさい」と追い返される。「自分のことなのに・・・どうして勉強しなくちゃいけないの?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、FTMのことを勉強。 二丁目は大好きだったが、「女らしくない」自分の居場所はレズビアン仲間たちの中にもないように感じていた。「性同一性障害」と自認し、子宮摘出手術&ホルモン治療を受ける。
エッセーは「これって本当にあったこと?」 とよく聞かれますが、全て・・・実話です!。2005年~ぶんか社の「本当にあった笑える話 ピンキー」で、マンガ家坂井恵理さんがマンガ化! 

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