渋谷区と世田谷区他各地で、パートナーシップ制度またはこれに類似するものの導入が始まったり、検討さりたりと、セクシャルマイノリティのニュースが、トップニュースになった2015年。先日、新宿2丁目でお店を経営するとある方と話しをしている際にこんな話しを聞きました。
「今年の2丁目は、結婚して消えてった女が戻ってくる年だったのよ。結婚したままレズに戻るのもいれば、離婚して相手を探しに来る女もなんだか多くて、懐かしい顔が多かったなぁ。でも、問題があんのよ。タチがいないのよ、二丁目に。その頃の女は大抵40代なんだけど、今の2丁目にタチは絶滅危惧種でほぼ飲みにこないし、街を歩いてなくて、女たちが困ってんの。カップルも、見た目も女&女の組み合わせが多くて、バリタチなんてまずいないね。ここはフェムの街になったわ」
今年の始まった話しはないが、今の2丁目にはフェムが溢れている。と言うのだ。フェム・・・・。私は長年セクシャルマイノリティをやっているが、フェムなんて言葉は知らない。ウィキペディアで調べてみたら、女性的なファッションをするレズビアンだと書いてあった。まだまだ調べていくと、「モテルフェムはこんなタイプ!」という特集まであった。「外見とは逆に男らし人」「清潔な人」「頭のいい人」などと読者の声が紹介されていた。そこで、「モテルタチ」と検索してみた。が、ゲイの情報しかでてこない。そこで「モテるタチ」と変換してみた。が、やはり、ない。
前出の2丁目のお店の経営者いわく、今の人たちは社会的なリスクを避けていると言う。男性的なファッションを好む人でも、昔のタチのように、自分がセクシャルマイノリティだと一目で悟られてしまうような服装はしないと言うのだ。そして、タチのような格好をし暮らすセクシャルマイノリティ、またはFTMを嫌がるレズビアンが多い時代が10年ほど前にあったというのだ。それはそれで、選択し自分を守れるのであれば、それはいい智恵だね。って私は思う。でもその反面、こうとも思う。
私が2丁目で遊んでいた90年代には、いろんなマイノリティが自由に歩いていた。それが2丁目。2丁目とは違う居場所を見つけ、離れて行ったのかもしれないが、そんな話しを聞くと、なんとなく寂しくなる。
ちょっと話が飛躍するが、マイノリティだからといって、自分とは生き方が違うマイノリティを排除しないというの嘘である。自分達のテリトリーを愛するあまり、そうではない人をいにくくするなんてことは、セクシャルマイノリティでなくてもあることだか、同じ場所に考え方、生き方、好みが違う人が雑多になるからこそ、その場所が面白く、その場所には健全な力が生まれると私は思う。
タチを求めるバブル世代の女たちが、二丁目で女を求める時代が始まったなら、来年は少し街の様子も変わるかも知れない。
さて、ここラブピースクラブでは、今年、どんなグッズがセクシャルマイノリティのレズビアン、FTMに求められてきたのだろう。ラブピースクラブの倉庫番長に聞いてみた。今年はディルドが売れた年だという。(リンク)よりリアルなディルドや、カラフルなディルド、太いものから細いもの。幅広い種類のディルドが売れたそうだ。こういう話しを聞くと、ちょっと幸せな気分になる。多くの女、そしてFTMたちが自分の欲望を他人に邪魔されることなく楽しみ、そこにはいろんな好みのセックス、セクシャリティが溢れる。という誰かの言葉を同一視されるのはいささか先生だが、女と生まれて来た者達が、手を取り合い、たまには声を掛け合うそんな世界が、来年はさらに少しでも広がればと思う。