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原子力資料情報室から発信されていることをずっと追ってます。ただ、やっぱ、ちと難しいし、私、集中力が足りないので、最後まで見続けるうちに、ぽろぽろ情報が抜けてしまう。今回の事故が起きるまで原発のこと、あまりに知らないことばかりなので、自分の肉にするためにテープおこししてみました。どこかでテキストになってるとは思いますが、少し編集したものを以下記しました。

「技術者として語ることは義務だ」とテレビでおっしゃっていた、後藤政志さん(東芝・元原子炉格納容器設計者・博士)の現状説明です。お話の順序は変えてません。言葉に詰まったり、重複されている箇所は割愛したり、見出しなどをつけてみたりなど簡単な編集はしていますが、私の意図を込めた編集は一切していません。
もちろん、「簡単」な話ではありません。ただ「安全だ」「最悪のことなんておこるわけがない」と信じるより、知識を得る、という行為は、ずっと自分に誠実でいられるように思います。

できれば、最後の20行はぜひ読んでほしい。後藤さんの必死な提言です。

 

<現状の説明>
1,2,3号基は炉心の冷却がまずくなって、今でも安定ではない状態です。
使用済みの燃料プールは、3,4号で冷却がうまくいっていないことから、冷却をしなくてはいけない状態です。

<原発での発電方法> 
炉心もそうですが、使用済み燃料というのも、被覆管(ひふかん・ジルコニウムの官)に入った状況で束ねられて、燃料集合体ができています。それを、原子炉の中に装荷しています。その状態では、制御棒が(燃料集合体の間に)入った状態です。
その制御棒を引き抜くと、核反応がはじまって熱が出る。その熱を原子炉の中で水を循環させ、冷やしている。冷やすというか、熱を伝達させ、出た熱による蒸気によってタービンを回し発電させている。

 

<なぜ冷却しなければいけないのか>
ところが、全電源喪失事故です。
プラントにつなぎ込まれている電源が止まった。
ただし、原子炉の設計は、非常時には制御棒がダッと入るようになっている。
全号基、運転していたものは制御棒が入ったんです。すぐに。だから、燃料は核反応を停止しています。そこまではうまくいった。
ただ、さかんに、「止まって安全」という表現がありましたが、それは原子力においては成立していないんです。
普通の機械であれば、止まったのなら大丈夫です。
例えば、火力発電所が「止まりました」と言えば、それ以上議論する余地はないんですね。
原子力はそれから、なんです。問題は。
それから(反応が止まった後)、燃料から出てくる熱をずーっと冷やし続けなければ、(被覆管が)熔けてしまうんです。被覆管の表面の金属は1000数百度で溶けるというか、パリパリと割れるんです。そうすると燃料が剥き出しになります。この燃料は2800度で熔けます。冷却しないと、どんどんどんどん壊れてきて、最後には、熔けて落ちる。

 

<いつまで、冷却し続けなければいけないのか>
では、いつまで冷やせばいいのか。
フルに運転して止まった状態で、その燃料が破損しないようにまで冷却するには1年かかります。
スリーマイル島は、事故の後、2年間冷却続けてるんです。ずっと。
条件とか色々なことによって、(いつまでかは)わかりません。
でも、これは、3日、4日、10日、20日、というレベルじゃない。そんなレベルじゃない。長期にわたって冷却しなければまずい。それが原子炉の中、です。
原子炉の中が今、大丈夫です、安定しています、とは、電力があり、ポンプが動いて、水を循環させて、冷却が成立されています、という状態を言います。冷却がきちんとできず、燃料が水面から露出している状態なんかが仮にありますと、大変なことになるんです。それはご理解下さい。

 

<3号基、4号基はなぜ放水しなくてはいけないの?>
使用済み燃料のプールについて話します。
プールの中に、使用済み燃料棒がいっぱい入ってます。
ものすごい数ですね。
少ないものでも300、多いのでは1300というのがありますから、平均して700?800。それだけの使用済み燃料がここのプールの中で冷やされていた。
我々はずっと、各原子炉の状況を気にしてました。(原子炉の)冷却は大丈夫か、とみている間に、どうも、使用済み燃料の水度があがってきているようだ、とわかった。
使用済み燃料も冷却装置を持っているんですが、それが壊れて止まって、冷却ができなくなっている。しかもプールの中の水は、地震で漏れた可能性があります。または、水素爆発をおこした時に、プールの下の構造を損傷した可能性もないとは言えない。
10メーターくらいのプールがあったとするとします。爆発も地震もあったので、壁のコンクリートの内側に薄い鉄板が入っているんですが、それがちょっとでも傷つけばそこから水が漏れてくる。そうすると微量の漏洩をずーっと長期にわたって続けていて、それで水が減った可能性もあるんです。
その状態ですと、水を入れる場合は、少なくとも漏れてくる量より、多く入れていかなければしかたない。そうなっていくでしょう。

 

<放水はうまくいっているの?>
今回、ヘリコプターでやった映像からみますと、被爆しますから近くにいけないわけですね。遠くから散水しますから、このプールにどれだけ入ったかは疑問が残ります。あまり有効ではなかったのではないかと私は思います。
ポンプ車の方が少し有効のように見えました。
しかしながら、想像してみてください。離れた所にバケツをおいて、そこにむけてホースでまく。いったい何割の水が入るでしょう。
発表によるとそれなりに有効であったという。無駄ではなかったし、水は、入っているはずです。ただ、非常に大変で、効率の悪いやり方です。仕方ないです。

 

<危機は脱したのか?>
今は、とりあえず危機を脱した、という表現になっていますね。
それは水が入ったから、燃料が露出して溶ける、損傷する状態はなくした、ということです。
ではこの状態は、ずっと持続できるか、が問題です。
もし穴があいてれば水位は、また落ちます。そうすると、また水をいれなくてはいけない。繰り返しになるわけです。
そうではなくても、冷やさなくてはいけない、循環させなくてはいけない、温度があがりすぎると水を入れていかなければいけない。
つまり、元に戻りますと。
使用済みであっても、ある一定の熱を出し続ける。それなりに長期にわたって冷やしていないとやはり問題が生ずる。
しかも水素爆発で建物の上部を損壊していますので、使用済み燃料は、むき出しになっている状態です。1、2号基はともかく、3号はプルトニウムが入ったMOX燃料が入っている。非常に厳しい条件下にある。
事故のことを忘れて、常識的に考えますと、燃料プールがあって、そこに使用済み燃料を保管し、その状態で適確にコントロールされていればいいんです。が、建物が屋外に剥き出しになっていて、冷却機能がとまってます。そこで水はちょっと足りないからこちら側から放水する・・・この状態は、ものすごく特別な状態です。
これはご理解いただけると思います。
そういう状態で、ギリギリで維持している。
これがたぶん、これからずーっと続くわけです。

<何号基が一番危険なのか?>
他の号基もそうなんです。結局は、燃料プールはすべての号基、使用済み燃料が入っている。もし、冷却器が死んでいる場合は、、同じく、そういうリスク、危険があるんです。

 

<電気が通ったら、安心なのでは?>
ということで。現在、電源のつなぎこみをはじめまして、他から持ってきた電気で各プラントに電源を供給しようとしています。そうすると、最初の原因となった、全電源喪失に関しては、ある一定の範囲で復活できるだろう、という希望があります。それが今、一部復旧をはじめている。そういう状況にあります。
しかし、冷却するに必要なのは電源、ポンプ、水です。
その三つがそろっていないと意味がない。
現状は。電気は多少供給ができる。非常にいいことです。
ではポンプは動くのか。
常設のポンプは動くのか、動かないのか、あるいは非常用は動くのか。
ポンプが動いたとして水の供給はできるのかどうか。それをこれからチェックしていくことだと思います。
いずれにしても、炉心、使用済み燃料の冷却をずっと続けていくのが今回の必要なことです。
同時に繰り返し申し上げますが。
1、2、3号基とも、原子炉の中がどの程度損傷をうけているか。つまり、燃料が空気中にでて、原子炉の中で冷却ができない状態で、どのくらい損傷しているか。
それが一番心配なところです。

 

<最悪のシナリオとは何か>
最悪のシナリオはよく聞かれます。
炉心が熔けているわけです。
そこから言えるとは、(燃料を)冷却できないとメルトダウンします。
熔けた溶融物が原子炉の底に溜まる。そこで止まるかどうか。
冷却ができないと、圧力容器の底を熔かしていきますね。
そういう状況になると極めて危機的な状況です。
圧力容器の底が抜けると、格納容器の床に溶融物が落っこちてしまう。かなり高温・高圧になり、原子炉格納容器がかなりの規模で破損する。大規模な爆発をともなうような破壊も、あり得ます。

 

<最悪のシナリオ その1:水素爆発>
どういうことかというと、一つは水素です。
3号基でおこったような水素爆発が格納容器内で起こることが一番怖い。
ただし格納容器内は、窒素をフンニュウ(?)しているので、簡単には爆発しない。ある条件が伴わないと、そう簡単には爆発するはずがない。
条件とは、酸素です。格納容器の蒸気をを出す時、その時の圧力条件によりますが、酸素が入る条件が整うと、水素爆発の危険生が生じます。

 

<最悪のシナリオ その2:水蒸気爆発>
もし炉心が熔け、それが溶融したものが水と接触すると、水蒸気爆発の危険性が生じます。
どこで爆発するかによって現象は変わりますが、爆発的な現象がおきる。それが驚異なんです。規模にもよりますが、それが一番恐ろしいシナリオです。
何のかんの言って、その爆発が格納容器の中に閉じこもれば、外には大きな被害はもたらさない。
ただし、2号基のように、圧力抑制プールが破れているということは、ここを経由し、徐々に放射性物質が出て行く。(2号基は)炉心が損傷していますから、出てくはずなんです。ある程度出ざるを得ない。
格納容器が破損しているとは、周囲の汚染がひどいですから、ちょっとくらいでていても気がつかない。でも、これは出続ける、ことになるかもしれません。
それが現在における危なさ、リスクです。

 

<最悪のシナリオ その3:再臨界>
また一つ。実は再臨界があります。
臨界というのは、たとえばウラン235なら235を集めた時に、それがある体積になると自動的に反応を始めるわけですね。それが起こりますと、再臨界が起こります。運転をしている状態に戻るようなもの。
ただ、再臨界には、条件がある。
ある条件で、燃料そのものが溶けて落ちて、その間にある程度水が入らないと、核反応は進まない。これは核爆発ではない。急激な反応ではあるけど、爆発の手前です。でも、物理的には驚異です。
ただ、再臨界が起こる確率は大きくないはずだと思っています。

 

<まとめ>
おこりうる可能性として大きいのは、水素爆発と蒸気爆発。この二点にだんだん絞られていきている。
これがおこらないように冷却が長期にわたっていくことを、祈っている。

※後藤さんのお話は以上。以下は会場とのやりとりです。質問者の音声がよくないので、質問は簡略化してます。

 


<会場の質問やりとり>

Q 格納容器も含めて水で満たす、という話があったと思うが?
A 格納機を満タンにするのは10日かかる。続けているのかどうかも今はわかりません。ただ、核納容器を水浸けにするのは、どうしようもないからやる、というのに近い。圧力容器の冷却ができない、だから外側から冷やす、そんな感覚です。

 

Q 1?3号基は圧力容器内は海水で満たされているのか。給水は継続しているのか。
A データとしてもらっている範囲でみると、3月18日現在ではだいたい1400mmから2300mmのマイナスですから、燃料棒が1.3メーターあるから、多いところでは3号基では2.7メーター、空気中に出ていることになります。
18日の情報によると、
1号基、引き続き原子炉の海水の注入をしています。
2号基は原子炉内に海水を注入したことから、原子炉水位や原子炉圧力は回復しました、、と言っています。ただ18日に回復した、というデータはないんです。言葉では出ていますが、データと整合していないです。読めないです、わからないです。

 

Q (海水を)注入し続けないといけない状況なのか
A それは明らかです。何が何でも水を入れる、というそれ以外の選択はないんです。

 

Q 3、4号基の破損の写真を東電が発表しましたが、ロボットカメラのようなものが設置されているんですか?
A どこに、ということもありますが、それなりの普通のカメラはあるでしょうが。今の状況ではほとんど機能していないと思います。
(3,4号基の損壊写真を見ながら)4号炉は運転していなかった原子炉なのに、それなのにこんなに大きく損傷している。これは燃料プールの燃料が冷却できなくなり、水素が出て、水素爆発を起こしたんじゃないか、ということですね。そうならば、原子炉は関係していないと思います。
今回、慣れてしまったので、もうびっくりしないんですけど、これは普通見たら、私は気絶しちゃいますよ。卒倒しちゃいますよ。怖いことに慣れてしまったんです。
原子炉建屋がこうなっても、格納容器、原子炉圧力容器が損傷しなければ、あとプールが冷却できればいい、そう考えればそうなんですけど、この破壊の様子をみますと、本当にプールが損傷していないのか、心配されます。

 

Q もし運良く全ての問題が良い方向に向かったとして、安全宣言までにどれほどの時間がかかるのでしょうか。
A 原子炉内をそのまま冷却しますと、運転をバっと止めた場合、一年は冷却を続ける必要がある。スリーマイルは二年間続けました。ですから、これから原子炉を冷却するということは、非常に長期に渡ってやる必要があります。一週間、10日でOK、一ヶ月でOKというレベルではないことは確実です。
(電気事業連合会の資料を拝借し)
100万キロワット級の発電所を、1年運転するために必要な燃料の比較をします。
この規模は、第一福島原発の、2,3,4号基より2,3割大型のプラントだと考えて下さい。
そういうプラントにおいて、一年間に必要な燃料はウランでは21トン。
21トンにエネルギー的に等価なのは、石油で155万トン。30万トンタンカー5隻に相当します。超大型タンカーを五隻分。それがたった、21トンの燃料でいける。だから原子力はすごく効率がいいんです。
ただ、155万トンのエネルギーが燃えることを考えて下さい。155万トンの燃料を冷やすのと同じ量の冷却を、たった21トンの燃料を冷やすのと同様に費やさなければいけないと考えて下さい。
原発は効率がいい、という考えもあるが、これだけの危険もある、という側面がある。メリットがある、というのはデメリットがある。効率がいいのは、必ず反対の側面がある。
一例を言います。航空機は非常に速いが、ぶつかった場合は、きわめて危ない。パイロットがぱっとみて、音速に近い速度で飛んでいるジェット機。非常に便利ですよ。その分、普通の飛行機、プロペラでぺらぺらとぶより、はるかに危険。
技術は必ずそう。
メリットはあります。
デメリットは何ですか。
まさにそれが今起きているんです。
これだけ便利だ、ということはこれだけ危ない、というのと全く同じことなんです。


Q 最悪のシナリオはどういうものですか。影響はどういうものですか?
A あんまり、こういう現象を、無前提にお話をすると誤解を生じるのでいけないと思っています。少なくとも、実際に、起こる、最悪のシナリオ・・・水素爆発、何度もおきてますね、実際。それはわかりやすいといえば、わかりやすい。水素があり、酸素があれば爆発する。水素の割合が数パーセント以上あると爆発する。最後は、一番厳しいのは、ばくごう、というのですが、爆発の規模が大きいと衝撃波が生じる。それを水素爆発という。

水蒸気爆発は、高温の非常に高温の溶けた金属と、低温の水が接触する。温度差の違う液体感の接触。熱いものがあって、例えば熱い金属の塊。一個一個の金属のかたまりが、周りの水にしゅっと熱をあたえる、周りの水がぱっと蒸発する。沸騰するんです。この沸騰する勢いは瞬間的に周囲の水の600倍。それが水中に、溶融物の塊がありますと、ばばばばばと大規模に爆発する。それを蒸気爆発という。これは非常に怖い爆発。それがおこると周囲に大きく影響をあたえる。
それが原子炉の中で起こりえます。もし原子炉が熔けて、落ちて、格納器の床で起きた時も、それを冷却しようとして水を入れると水蒸気爆発が起こりえます。
原子炉の中で起きる現象として、溶融物がある限り、冷却しなければいけない場合は、水蒸気爆発は起こりうる。
また、再臨界の話もします。(北原記:ここは少し略します・・・00:37:09あたりからお話されています。再臨界についてわかりやすく説明されていますが、文章だけだとあまりにもわかりにくいので、ぜひ図と共にご覧になって下さい。後藤さんは、今回の事故では再臨界の可能性は非常に低いとお話されています)

 

Q 4号基で使用済み燃料は外にありますが、危険ではないのか?
A 被覆管の中に燃料が入っている。こういう状況で冷却がされている。安定した状態にある。この場合は問題はない。ただ今は、冷却がしなくちゃいけない。これから1年も2年も冷却しなくてはいけないものが、冷却機能を失った装置の中にある。それがしかも、今、建物すらすっとんでる状態。
(それでも)被覆管が健全であるなら、たぶん、大丈夫。この健全性が保てなくなり、燃料が出始めると、これは、大変なことになる。風でさらされ飛ぶ。ここで水素爆発がおきたら、ここはチェルノブイリ型と同じ意味になってしまうのだと思います。

 

Q 冷却に使用されている海水はどこにいくのか。海に廃棄されるのか。排水には放射脳が含まれているが、周辺環境にはどうするのか。
A 本来は海に排水してはまずいと思う。どういう風になっているかは・・・これだけの大量の水を貯めておける施設があるとは思えない。そうするとそれはどんどん環境に出て行くことも危惧している。もちろんそれを配慮しているかどうかは、私もわかりません。情報を持っていません。

 

Q 現場の作業員と呼ばれている方々の実態が想像できない。どういう人たちがやっているのか?
A はっきりしたことはわかりません。一般的には電力会社から請け負った方々。今、メーカーの応援も相当入っている、という情報もあります。詳しいことはわからないです。

 

Q 東電の会見をみていると、情報を隠しているのではなく、情報を把握していないのではないかと見える。
A 情報の出し方がまずい。意図が働いているように見えることもある。そうではなく、コントロールできない、わかんない、ということもある。両方あるように思う。
関連の方が情報開示をしてください、あるいは国会議員の方に言っていただくなり、そういう形でやっていくことで、より情報が出やすくなるかと思います。

 

<情報に関して、後藤さんのご意見>
私は前から主張しておりますように、きちんとしたプラントの情報を出して下さい。
それはどういうことかというと、燃料棒が露出しているならしている、してないならしてない、どういう状態か、温度はどうか、水位はどうか、圧力はどうなっているか、全部データがほしい。刻々どう動いているか、そういう情報がほしい。
それによって、ああそうか安心できますね、と言える。
ところが、表現として、格納容器は健全です、という。
本当ですか、と、私は思う。
設計で想定する圧力の二倍かかったプラントで、格納器が健全だとは私は思えない。
どこかが変形したりして、そこから若干の放射脳がもれる可能性があるわけです。
そういう情報開示をきちんとしていただきたい。
もう一つ。
ないものねだりをするつもりはありません。
プラントの中のセンサーが壊れているのがいっぱいあるとだと思います。ならば、壊れている、という情報を出してほしい。
温度計が壊れているなら、温度は取れない、ならばどうやって温度を推測するのか、という議論ですから。それをきちんとお話いただければいい。
それなのになぜか温度の話は一個も出てこない。
我々は温度の情報がなくて、燃料が溶融するとか、メルトするとかそういう議論をしている。これはものすごくおかしな話です。
そうしたら、情報がないならないと、はっきり言うべきなんです。
そんなこと言うと、素人の人は心配するから、というが失礼な話だ。
人をばかにした話だ。
持っている情報はだすべき。命に関わるんですから、現在は。


放射線量は、出す必要があります。
でもこれは、今出たが水をかけたら減った、というレベルの話ではない。
ずっと継続的に、未来にわたって、我々は被爆するわけです。
ですからここではこういう状態、とずっとモニターする必要がある。

それ(放射線量の情報)に影響をあたえるのは実は原子炉の中の方の問題です。
原子炉、あるいは、燃料プールの問題です。
今どうなっているかという状態の説明をいただいて、放射脳は今のところこういうなっているという話で、はじめて全体像がちょっとみえてくるわけです。

事故の状態ですから先の話がわからないのはその通りだとは思う。でもそれであっても、今の状態で、プラントのあるところが冷却却の状況がおかしいとなったら、それによってどこが危ないとか、どこかおかしいという推測はできるわけですから。その情報をきちんと出しながら、汚染の状態はどうだ、という総合的な情報を出してほしい。それは当然のことだと思います。

保安員の方もそうです。保安員の方としても、ちゃんと我々がわかる状態にして技術データを出せ、ということだと思います。
それを出せないということは、保安員がわからないのだとしたら、それは非常に厳しい環境にあるということがわかるんです。それは、はっきり言うべきなんです。それを言うのは混乱を招くなんてことじゃないんです。
混乱とは、逆にそうではないく、情報を伏せたままの状態でおこる。
大丈夫ですと言って、コントロール出来てます、プラントは止まりました、と言いましたが、それからああっというまに水素爆弾が次々に起こっているんです。
これは、何ですか?
水素爆発のリスクはわかっていたはずなんです。専門でしたら。
ましてやプラントの様様な状況から推測できるんです。
水素爆発の危険性があるとわかっている状態で、その情報を伏せるのはおかしいんです。

私は煽るつもりはありません。
現実に何がおこっているか、という事実関係を正確に出すことは最低限の義務です。何かの意図があり、情報をコントロールしているのならわれわれを愚弄していることになる。私はそう思います。
なぜなら、今、被爆しながら、自分の身体を犠牲にしながら消火活動をしている人たちがいるんです。そういう人たちに、どういう顔むけができるんでしょうか。
我々は現実に立ち向かう勇気を持っているんです。
もたなきゃいけないんです。
それに対して一緒に対処していく。だから現実はこうだ、という情報をだしてもらう。それは当然のことだと私は思います。

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北原みのり

北原みのり

ラブピースクラブ代表
1996年、日本で初めてフェミニストが経営する女性向けのプレジャートイショップ「ラブピースクラブ」を始める。2021年シスターフッド出版社アジュマブックス設立。
著書に「はちみつバイブレーション」(河出書房新社1998年)・「男はときどきいればいい」(祥伝社1999年)・「フェミの嫌われ方」(新水社)・「メロスのようには走らない」(KKベストセラーズ)・「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)・「毒婦」(朝日新聞出版)・佐藤優氏との対談「性と国家」(河出書房新社)・香山リカ氏との対談「フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか」(イーストプレス社)など。

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