『このカラダTじゃない!』
好きな人ができたと告白され、でも心もカラダも私を頼りにしていると告げられた夜、Tの股の間で私はその異変に気がついた。
自分のカラダより知り尽くしていたTのヴァギナ。そのヴァギナが明らかに違うのだ。その違い。それは身長155センチ55キロの人と、身長190センチ100キロの人を比べるようなものだ。
ア「・・・・・・・・」
私はピタッと舌の動きを停止する。Tは私の声を隠すように私の頭をつかみ自分のヴァギナに引き寄せた。私は戸惑いながらもTのリクエストに答えて黙々とTのカラダを舐め続けた。
1時間後。
ア「あのこれって・・・・・・」
セックスが終わり、天井を見上げるTに問う言葉を探す。
T「・・・・・・・・・・・・・」
ア「違うよね・・・・・・・・・」
T「・・・・・・・・・・・・・・」
ア「全然、形が・・・・・・・・・・・」
張りつめた空気がラブホの一室に充満する。私には何もわからない。
T「私が死ぬほど悩んでいた悩みなの・・・」
ア「えっ?!何が?」
T「ここの形が。」
ア「小陰唇のことっ?」
T「そう、前にも話したでしょ。オナニーのし過ぎで伸びちゃって、人と形が違うからオトコの人とセックスすることができないと思っていて、ずーっと悩んでいたの。一生結婚も子供も産めないって真剣に悩んでたから、Kのようなオンナのカラダをちゃんと見たことない人と付き合ったの。でも、年下じゃ、やっぱりだめだし、だから整形したの。」
ア「整形?」
T「お母さんもお父さんもそのほうがいいって言うし、伸びたところを切って小さくして、ようやく普通のカラダになれた。」
ア「・・・・・・・・」
T「私は結婚したいの。これで誰とも付き合える。だからあの人と結婚を前提に付き合い始めたの。」
T「・・・・・・・・・・・」
三日月のように狭い弧を描く小陰唇。複雑な形をしていたTの小陰唇は整形外科医の手によって切り取られていたのだ。Tは小陰唇のために男性と付き合うことができないと思い込み、私と付き合い欲望を満たしていた。そしてKという童貞でまじめなKと付き合い、男性と付き合いたいという夢を満足させようとした。そして小陰唇を切り取った。
ア「じゃあなんで私が必要だなんていうの!」
T「私は普通の人と付き合って結婚して子供を産んでその人に守られて暮らしたいの。でも私はもうアンティルなしじゃ生きていけないの。こんな心とカラダにした責任をとって!アンティルがオンナだからいけないんだから、それがアンティルの役目なの!!責任なの!!!」
Tは私を叱責しそして私のカラダに抱きついた。時計は夜3時。私の首元に顔を埋めるように横を向くT、そしてただ上を向く私。天井の鏡に写る二人の姿は小陰唇のようだった。