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私はアンティル vol.64 同窓会のお誘い・・・

アンティル2006.12.31

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年末、見慣れない番号が着信に残っていた。大晦日の前日、この年の暮れにどんな急用かと留守電を聞いてみると、それは高校時代を共にくらしたSからの電話だった。

「Uがイタリアから帰ってくるので急きょ、1月6日に同窓会を開くことになりました。担任のR先生もくるので是非来て下さい。」

高校を卒業して20年。私は1度も同窓会に出たことがない。

あの頃と変わりなくオンナが好きな私。胸がなくなり、声が低くなり、髭がはえている私。でもあの頃と変わらずまだ私は自分のセクシャリティを言い切ることができない。そしてそんな私の登場ををどうやら同級生たちは期待をしているらしいく、その声は年々高まっている。

「アンティル?!今度こそ来てよね。」「みんなでずーっとアンティルの話をしていたました。」

私がどんな風貌になっているのか、どんな風に生きているのか、残された留守電越しに好奇心が伝わってくる。さて私は行くべきか、行かないべきか?

みんなどんな生き方をしているのか、どんな顔になったのか、そして私を見る反応がどんなものか。とても見てみたい気もするのだが、どうしても決心がつかない。私は何者として登場すればいいのだろう。
「ジャジャーン! 性同一性障害のアンティル登場!」

それがたぶん平和な登場の仕方なのだと思う。わたしも髭なんか思いっきりはやしちゃったり、「よっ!」とかなんかいっちゃったりして、そんな風にできたら迷わず参加していただろう。しかし今の私にはそれができない。
この2,3年でまた私は自分の呼び名を失っている。

そうそれは20年前の私と同じ。
2007年、私のスタートは同窓会を考えることから始まった。
「私はアンティル」今年も宜しくお願いします。

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アンティル

アンティル(あんてぃる)

ラブローター命のFTM。
数年前「性同一性障害」のことを新聞で読み、「私って、コレかも」と思い、新聞を手に埼玉医大に行くが、「ジェンダー」も「FTM」という言葉も知らず、医者に「もっと勉強してきなさい」と追い返される。「自分のことなのに・・・どうして勉強しなくちゃいけないの?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、FTMのことを勉強。 二丁目は大好きだったが、「女らしくない」自分の居場所はレズビアン仲間たちの中にもないように感じていた。「性同一性障害」と自認し、子宮摘出手術&ホルモン治療を受ける。
エッセーは「これって本当にあったこと?」 とよく聞かれますが、全て・・・実話です!。2005年~ぶんか社の「本当にあった笑える話 ピンキー」で、マンガ家坂井恵理さんがマンガ化! 

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