明けましておめでとうございます。目出度いかどうかは別として、2015年、平成27年が始まってしまいましたね~。今年もそれなりにゆるゆると行きましょう~。
新年にちなんで「姫始め」を調べてみると、「頒歴の新年に「柔らかいご飯(姫飯)」を食べること」(大辞林)なんだそうな。しかも、その「頒歴」とやらは天子が臣下に暦を頒布することだそうですが、平安時代までに廃れたようで、政治の世界はなかなか難しいものなんでしょうね。なんと色気もなんもなし。
でもって、次に「新年にはじめて男女が交わること」(大辞林)とあります。ん?新年に、なんですね・・・・・・。
何となく、私は、女性が初めて性経験をすることだと思い込んでいました。一年を大事に季節感を持って暮らしてきた日本ならではの言葉でしょうか。今年もよろしく、のエッチは何か違ったのでしょう。
毎年、姫始めでエッチのリセットをかけるとしたら、それは新鮮さを保つ装置だったのかも知れません。英語だと「その年最初の性交」としか訳せないようで特別な用語はなさそうです。これは殿からみた言葉とも言えるし、行為に於いて殿は主体ではなく添え物とも言える。姫は秘めでもあり、このような掛け言葉の醍醐味も日本語には多いですね。ちなみに姫は何歳までかなんて無粋なことを言ってはいけません。女は灰になるまで、ですからね。
自分が人生50年を過ぎて、来し方行く末を思うようになったせいか、後半こそセクシーに生きたいと思うようになりました。後半も、ではなく、後半こそ、です。そういう目で先輩方を見るとまだまだ遠慮されています。思うようなセックスをしたこともなく、何がしたいのかを考えることもなかった人生の先輩たちには、今こそ「姫ごっこ」をお勧めしています。老い先短い、いないいない「婆」ではなく、あくまでもどこまでも、姫(秘め!)です。定年も退職金もないまま70代に突入し、夫に仕え続け人生に疲れて、行く末を案じている女性には、「姫ごっこ」プランはホルモン剤よりもいい薬になるようです。セックスだけが性行為ではありません。性的な遊び、刺激があるだけでいいのだと思います。初バイブ購入にチャレンジしてもいいじゃないですか。エロ婆と呼ぶならお呼び。こんなことがしてみたかった、あんなことも・・・と、想像が膨らむだけで生きていて良かったと思うのかも知れません。もう70歳だとしてもまだ30年もあるかも知れない人生です。やりたいことが済むまで、パートナーは居るなら生かしておきなさい、とも伝えます。すると、皆さん、外来に来られた時より若返り、怖いくらいにっこり微笑んでお帰りになります。何をするか詳細は聞かないでおきましょう・・・・・・。
ちなみに「筆おろし」は、男性が童貞を破ること。形状や扱いが似ているとか。では女性の初体験は・・・というと「水揚げ」という言葉がありますが、それは芸者の世界。そのお値段も時価、ということなのでしょうね。ということは、堅気の女性の初体験は結婚の「初夜」ということになるでしょうか。笑っていいのか微妙ですが「男同士なら菊始め」なんて小洒落たネタもありました。女性同士だと・・・「まん始め」んん?「まん初め」の方が素敵かな?そして、セックスレスカップルだと、姫始めが一年の半ばの七夕だったりして。
笑っている場合じゃありません。女性が輝く社会では、好きなだけ子どもを産んで死ぬまで働いていいようですから、七夕じゃ妊娠できないだけでなく、楽しいエッチにほど遠い。
電子機器などで生活が便利になり、サイバーセックスなどもできるようになり、秘め事もあからさまになり、夢のみようもない昨今ですが、夢は誰にも邪魔されない不思議の世界。淫夢の世界に耽るという手もありますね。達人は明晰夢を駆使した見放題の勝手な夢の世界で好きな夢を見るのだとか。睡眠中に脳を駆使した究極の一人エッチの奥義かもしれません。
江戸小物の象牙細工に、「栗とりす」というのがあります。栗に小さなリスが乗っているその根付を購入した時、細工屋のおやじさんはにやりと笑って、こういうのが江戸文化ってやつでさ、と題名を教えてくれました。お万個なんていうのもあったりして。
さて、お題の「姫始め」の対義語は「殿終わり」だとか。何とも寂しいけど、まあ、それでいいかな。え?1月も半ばになるけど、姫始めは済んだかって?そんなこと、不躾に聞くもんじゃないよ。ちゃんちゃん。