今年はいろんなことが起きた韓国。つい最近の大韓航空副社長の「ナッツリターン事件」と言い、社会が抱える闇の部分が、出まくった1年だった。
「下の者」に対する暴君は、日常生活にも溢れている。
つい先日区役所に行ったときのこと。50代後半くらいの客の男性が20代半ばと思われる若い女性職員に怒鳴りちらしていた。なにやらその女性職員の対応が気に食わなかったらしく、さんざん大声で罵倒したあげく最後に「このアマが!」と吐き捨てた。
女性はずっと下を向き、涙を流していた。見るに堪えない光景で、その場に出くわした私も恐怖だった。
区役所に行くたびに見かけていた彼女は、一見役所の職員らしからぬギャルっぽい派手目の服装やメイク、髪型が目立っていて、私も覚えていた。でも対応が悪いなんて思ったことは一度もない。むしろ堂々としていてかっこいいなあと好感をもっていた。
失業率が高く超就職難の韓国で公務員をやっている彼女はきっと世でいう勝ち組だろう。そういうのもこのオヤジの嫉妬心を刺激したはずだ。そして派手な服装や媚びないサバサバした対応。「女のくせに」気に食わん!と、だから女性を貶める言葉を発して大声で威嚇した。醜い、醜すぎる!
更にショックだったのは、そのオヤジは女性職員と同じくらいの年齢の息子と一緒だったこと。息子は父親をとめることもなく、うすら笑を浮かべながら見ていた。なにこれ、気持ち悪すぎる…。父親の暴君をとめられない、いい歳の息子。カッコ悪すぎるよ。
それにしても、女にとって生きずらすぎる社会。がんばっていても、男を怒らせないように、常に細心の注意を払って生きなければ、こんな目に遭ってしまう。
そして、件の大韓航空の副社長。父親である会長が謝罪会見で「娘の教育を間違えた」と。結局、家父長制のもと父親がかわりに頭を下げ、娘はただのバカ扱い。
韓国の父と息子のこじれた関係もそうだが、父と娘も暗い闇がありそうだ。
夫の父(毒親)をみても、息子である夫には厳しくする反面、夫の妹である娘のことは、気持ち悪いぐらいに可愛がる。同じ子供なのに男女の差だけでこうも違うものかとびっくりする。しかも可愛がり方がきもちわるい。30歳の娘に対して赤ん坊をあやすようなトーンで話しかける。娘を一人の人間、大人の女性として認めているのであれば、適度な距離感や話し方などがあるはずだ。ただ、自分を癒す可愛いだけの赤ん坊でいてほしいだけのように見える。
義理の父は子供たちが小さい時は、しつけと言う名の暴力は当たり前だった。夫の妹は高校を中退したり、思春期の頃は荒れていたらしい。夫も、大学生の頃父親と対立して1年間口も聞かない冷戦期があったという。
ふたりとも、それが父親に抗える唯一のことだったのだろう。
夫の妹は3年前からカナダで一人で暮らしており、今後、永住するつもりらしい。
がんばってほしいな。