フォトジャーナリストの大藪順子(おおやぶのぶこ)さんから連絡があった。彼女はアメリカで新聞社に勤務していた1999年、性暴力の被害に遭う。PTSDで苦しみながらも、性暴力に屈すること無く立ち上がるサバイバー(survivor:生存者)として、2001年に「Project STAND: Faces of Rape & Sexual Abuse Survivors Project(性暴力サバイバー達の素顔)」をという写真プロジェクト立ち上げ、男女70人の性暴力被害者たちを撮影・取材した。このプロジェクトは、全米各地で展示され、大きな反響を巻き起こしたという。現在は、写真を表現ツールとして社会的課題に切り込む「Picture This JAPAN」代表でもある。
彼女とは、お互いにやよりジャーナリスト賞を受賞したという共通点がある。2年ほど前に彼女から、別のプロジェクトの被写体になって欲しいとの連絡があり、大阪・鶴橋のコリアタウンで撮影してもらった。そして、その後も交流が続いている。彼女が写してくれた写真は、宝物のひとつだ。我ながら、写真写りがいいいなあといつも思う。実物を見てがっかりしないでね。
そんな彼女からの連絡と云うのは、12月22日(土)に、YCC横浜創造都市センターで開催されるという「女がオンナのカラダについて話す朗読会」と云うイベントについてだった。
自身が女性であるからこそ、女性の人権を守るために、暴力対応研修や個別相談事業を通じ、社会で生きづらさを抱える人をなくす活動をしているという「NPO法人 虹色のたね」理事長の池畑博美さんと、障がい者の就労支援で活躍中の「一般社団法人 発達障害者就労サポート協会」代表理事の隠村美子さん、そして彼女の3人で、女性の体のことをコミカルに、ときにはシリアスなシーンも交えながらの朗読会を行うとのことだった。
大藪さんが書いたエッセイ「わたしの名前はヴァギナ」、そして本「STAND-立ち上がる選択」の一部を、本人自身が朗読。その他、エッセイ(仮題)「おっぱい小僧とおっぱいかあさん」「大事な気持ち~障がい者の性」、鈴木政子著「語らなかった女たち-引揚者70年の歩み」の一部などを、複数の女性たちで朗読するというもの。「#黙らない女たち]も紹介される。
このイベントでは特に、「女性の体、性暴力、性教育の大切さ、なかったことにされてはいけない女性史、などを語ることで、女性たちが自らをエンパワメントできるよう願っているイベントであること、同時に暴力防止と人権擁護を目的としている3団体のファンドレイズであること」を強調したいという。
大藪さんいわく、「まだまだ日本では、男が下ネタで盛り上がることは別に何も言われないけど、女がすると『はしたない』とされている。女たち自身も、育つ中で見てきた『かわいい、きれい』とされるイメージを刷り込まれてきたから、常に自分は太っているとか、脚が太いとか、背が高すぎる低すぎる、可愛くないとか、とにかくセルフイメージが悪くて、自己肯定感が身につきくいように感じている。そのままの姿で堂々と生きる権利は誰もが持っているはずやのに」
本当にそう思う。自分の体も心も、自分のもの。誰かが作った価値観の枠に押し込められるなんって、窮屈だと思う。もっと自由になっても良いってことを伝えるイベントなんじゃないかなと思う。
「また、若くないと女は価値がないかと言わんばかりに、(車とかカメラのショーなどで)水着の女性を商品の横に立たせたり、JKとつけたら売れると思って女の子たちを商品化している社会を笑い飛ばしてやるという気持ちもこのイベントの趣旨。愚痴ではなく、面白く皮肉りたい」とのこと。
「笑って泣いてまた笑う」が合言葉の成人オンリーイベントだが、女性の権利を大切に思う男性も是非ご参加、ご協力を。
さらに、会場では、サイレントオークションもあるそうだ。出品物は、大藪さんの写真作品やワインセット、各種サービス(英会話、ネイルサロン、マッサージ、研修)などなど。自分が欲しいと思う出品物に応募金額を書き込み、一番高額な希望買取額を書き込んだひとが出品物をいただけるというスタイル。
そしてこのイベントの参加申し込みは、こちらのサイトから、クラウドファンディングを通じて。10月31日までなので、急いで!
「女性の体のことをオープンに語れるチャリティーイベントを開催!」
https://readyfor.jp/projects/onna-nijiironotane
ひとつだけ注文を付けるとしたら、こんなイベント、いいな。関西でもやって欲しい。関東でだけなんってずるいぞ(笑)。大阪から、応援してます。