経営不振に陥っていた電機メーカー「シャープ」が台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ることを決めました。
うちで今観ているテレビはシャープの亀山モデルだし、小さいころ、毎週日曜にはシャープがスポンサーをしていたサザエさんを欠かさずみてた。ふつうがどのくらいかわからないけど、平均的な日本人並みにはシャープのブランドや商品に親しんでいた気がします。
で、そのシャープが政府系ファンドではなく台湾のメーカーに支援を求めたこと、なんだかとても感慨深いです。
報道を見てると、「日本製造業の凋落だ~!」「台湾の軍門に下った」とか嘆いている人もいて、そもそも支援を求めているのはシャープなのに「凋落」とか「軍門に下った」とかずいぶん偉そうだなぁと思ったりもするんですが。
支援を受けた先がアジアではなく欧米の企業だったらこんな異論が出ていたのかな?とかね。日産がルノーに買収される時、こんな批判は出たのでしょうか。
そして一方でちょっと小気味よく感じてる自分もいるんですよね。
こういうことをいうと今は「非国民」とか言われるんでしょうけど、シャープをはじめ、いわゆる高度経済成長を支えたメーカーが次々不振に陥っているのをみると、そりゃ、そうだろうね!ダメになるだろうね!とか思っちゃう。
だって今の日本型大企業って女性を国民と思ってないもん。
オッサン同士がなれ合い、自分たちの価値観が絶対だと思って動かす組織のなかで疎外感を感じてきた女の人は多いはず。デバ子自身もそうだし、取材でも、日本型大企業で働き、失望して辞めていく女性をたくさん見たことももあるのかもしれません。
あなたたち、外資に買われて、少しはその根拠のない自信を失えよ!もっともっと謙虚になれよ!って思っちゃうんです。
と書きながら、デバ子あまり経済については詳しくないので、シャープがそんな典型的な日本型男組織だったのかは詳しくは分かりません。吉永小百合さんをコマーシャルに起用してたことか、ニュースに出てくる経営陣に女性がいないこととかね、あくまでメディアを通じての印象や私の個人的な感想なんですけど。
一部報道で出ている、日本政府がシャープの高い技術を国外に流出させないために、という理由で政府系ファンドを支援を受けるべきだとしていたことも、なんだかずいぶん的外れで時代遅れな感じがするんですよね。
シャープは特許を取得した数はここ最近も増え続けていたみたいですが、活用度の高い技術はなかったとも指摘されてます。そもそも他社がマネしたくなるような技術があったら、ここまで失速していたんでしょうか。
なんか良い時代を知ってるオッサンが「ジャパンクオリティ」とか「高い技術力を誇るニッポン」みたいな幻想に未だにしがみついているだけな感じがしてしまいます。
もっと冷静になったほうがいいんじゃない?
とはいえ、鴻海の会長を務める郭台銘さんは、高校を卒業後、1代で会社を大きくした、昔の日本にもよくいたタイプの経営者のようです。世界で77番目の富豪とよばれるいっぽう、工場では過労死自殺なども起きており、今後シャープがどんな道をたどるのかは未知数。
ただ、シャープのように、アジアを中心に外国の企業に買収される企業は今後、増え続けるに違いありません。その時、「軍門に下った」とかいわず、対等にそして謙虚に仕事をしていきたい。
そしてそれは悲観することではなくて、本当に”女性が輝く社会”って意外と海外との連携のなかでもたらされるものなんじゃないのかなーと思ったりします。