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「合意」とは、何かを考えたい、”売春”の非犯罪化と、女の人権。

栗林デバ子2015.09.21

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きっとこの原稿がアップされるころには安全保障関連法案が参院でも可決、成立されているのではないでしょうか。
国会前、そして地方でも多くの人が集まり、「誰の子どもも殺させない」「安倍政治を許さない」とプラカードをかかげ、法案に反対するデモを行ったにもかかわらず、とうとう安倍総理も自民党もその訴えに耳を傾けることはなく、説得する言葉ももたず、ただ数の力で押し切る道を選びました。民主主義国家であるにもかかわらず、こんなに暴力的に押し進めるなんて、本当に恐ろしい気持ちがします。

そしてもうひとつ、世界で気になる流れが。
国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」が、8月に開かれた世界大会で「合意にもとづく売買春は犯罪の対象から除くべきだ」と各国に売買春を禁じる法律を撤廃するよう求めていく、とする決議を出したのです。
いったいなぜ??デバ子、ぽかんとしてしまったのですが、アムネスティによれば、2年間に渡る調査の結果、売買春を犯罪と認めているから、売春する側が逮捕や暴力におびえなくてはならないのだといいます。本当に?本当にそうなのでしょうか。

日本では、歴史的に見ても、現在もJK(女子高生)ビジネスがはびこるなど、弱い立場の女性が搾取され続けています。
「売買春」という名前で、買う側の男について言及されたのもつい最近で、ずっと売る側の女性だけが暴力やスティグマに苦しんできました。今だって、売る側は「補導」という名で取り締まられる一方、買う側は何のおとがめも受けていないのが実態です。
先進国の一部では、売る側には罰則を設けず、買う側を罰するような流れになっていますが、この状況で、合意に基づく売春を犯罪ではないとすることが本当に問題の解決につながるのでしょうか。
デバ子にはまったくそうは思えません。

さらに、「合意に基づく売春」っていいますけど、どうやって合意が成立していると認定するんでしょうか。従軍慰安婦の問題でも、日々起きている性犯罪でも「合意」という言葉が、暴力をふるう側、搾取する側にとても都合よく使われています。
真にお互いが対等で合意のもとに売買春したことはどうやって証明するんでしょうか。
今現在、まったく自分の自由な意思で、さまざまな職業の中から売春を選んでいる女性がどれほどいるのでしょう。

もちろん、なかにはプロとしての誇りをもって働いている人もいるかもしれません。でも、現実は女子高生や貧困のなかで、だまされたり、脅されたりして売春をせざるをえない人が大多数なのではないでしょうか。
多くの女性団体や人権団体は批判、反対を表明しているといいますが、どうなっていくのか、今後が気になります。

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