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大丈夫?日本の司法機関。女性蔑視、職業差別に満ちた「枕営業」判決における“プロの女性”“素人の女性”という裁判長の価値観に吐き気。

栗林デバ子2015.06.01

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銀座のクラブで働く女性が客でもあった男性と性交渉したことは「枕営業」にあたる。そんな判決を東京地裁が出していた。
5月28日の朝日新聞が報じていたのを見てドギモを抜かれました。
昨年4月には出されていて、判例を紹介する雑誌にも取りあげられていたことから、SNSではずっと話題になっていた判決みたいですね。
記事によると、会社社長の男性は銀座のクラブのママと性交渉をもっていた。月に1、2回、土曜の昼に会ってホテルで性交渉をする、そんな交際を7年間続けていたようです。
この「不倫」で精神的苦痛を感じたとして男性の妻が女性に慰謝料400万円の損害賠償を求めました。
これに対し、裁判長は銀座のクラブのママとの性交渉は売春と同じで、(自分が店に飲みに行ったり、客を連れて行ったり、間接的に)対価を支払っているのだから、商売として相手の求めに応じたものだ。妻が不快に感じても不法行為にはあたらないとして、妻の請求を退けたんです。
このニュース、「枕営業」って言葉がキャッチ―だったためか、テレビでも盛んに取りあげられてましたが、とっても気持ち悪かった。
まず、この枕営業という言葉を、妻も、訴えられた女性も双方とも主張していないのに始関正光裁判長が勝手に言い出したということ。(これ、テレビの報道では抜け落ちてました。)
記事によれば、訴えられた女性は、性交渉そのものを否定していたといいます。
なぜ勝手に誰も主張していない枕営業という言葉をもってきたのか。私はこの始関裁判長の女性観がゆがんでいるからとしか思えない。職業蔑視でもあると思いました。
始関裁判長はこうも言ってます。「枕営業をするものが少なからずいることは周知の事実だ」
へー。そうなんだ。デバ子のまわりには枕営業をしている女性ってあまり聞いたことないんですけど、始関裁判長の周囲にはけっこういるんですかね?
例えいたとしても、これって「不倫をしている者が少なからずいることは周知の事実だ」と言ってるのと同じっていうか、だから何ですか?って話な気がします。
今回、事実を認定するのにどれほどの時間をかけたのでしょうか。妻側の痛みに耳を傾けたんですか?始関裁判長は当事者の意見を聞くことなく2回で打ち切ったそうですよ。
それで、性交渉そのものを否定していた女性に、「典型的な枕営業」と言い切り、あなたは銀座のクラブで働く女性なんですから商売でセックスしてたんですよね?って勝手に決めつけるのってどうなんでしょうか?
また、精神的苦痛を訴えていた妻に、「相手はプロの女性なんだから、だんなさんは家庭を壊すつもりはないよ、だからだんながいくら妻以外の女性とセックスしても慰謝料はもらえないの」っていうのもどうなんですか?
“プロの女性”“素人の女性”っていう、この裁判長の価値観に吐き気を覚えます。しかも相手が「私はプロなんで」と主張しているならまだしも、銀座のクラブに務めているというだけで、商売でセックスをすることもある、と決めつけるのって職業差別じゃないでしょうか。
このプロの女性、素人の女性という考え方は、ふつーのオッサンでも持っている人はたっくさんいると思う。彼氏がキャバクラや風俗に言っても、「まあまあ男はねぇ、(ニヤニヤ)」とか言う人。女の人でも、「彼氏や夫の風俗ぐらい、彼女(妻)なら、どーんとかまえてないと」とか、叱ってくる人すらいますよね。
でも裁判所が同じであっていいんでしょうか。
“プロの裁判官”でありながら、当事者の主張に耳を傾けることなく、たった2回で訴訟を打ち切ったこと。この女性蔑視、職業差別に満ちた判決を書いた、始関正光裁判長の名前、よーく覚えておこうと思ってます。

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