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選挙は「男の戦い」で女は後方支援だけ? ある選挙事務所で見たもの。

栗林デバ子2015.04.13

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統一地方選の前半戦の投開票が12日に行われました。
結果はご存じの通り、自民、公明の与党が勝利。西の大阪で大阪維新の会が府議会や市議会で単独過半数に届かなかったかものの第1党の座をゆずることはありませんでした。
デバ子は大阪府内のある現職議員(与党)の事務所で、投開票の結果が出るのを待ちながら取材していたのですが、古めかしいというか、時代がかっているというか。あらためて、選挙って男の戦いなんだなー、って思いました。
壁には極太の筆で書かれた党や国会議員から送られた「必勝」のポスターや色紙がズラリ(なんでアレはいつも筆で書かれているのでしょうか)。そこに推薦者として名を連ねている党の幹部はぜーんぶ男です。
お、ピンク色の色紙が!と思えば、数十人の女性が署名を連ねる形でとてもとても控えめな応援メッセージを寄せてました。
当選が決まった瞬間も、支援者が待つ事務所内の広い部屋で、野太い「ごおーっ!!」という(低い)歓声が起きると、候補者が隣の部屋から笑顔で登場。さっきまでイスにどっかと座ってテレビを見ていた男支援者と握手をかわしながら壇上に上がると、隣の部屋からおそろいのユニフォームを着た女性支援者が小走りに追いかけてきて候補者を囲むように壇上に上がり、バンザイに“花”を添えてました。まるで喜び組のような風景・・・。
ここにいる誰もこの構図に違和感をもたないんでしょうか。CMやドラマのようなONのメディアに、同じようなシーンが出てきたらチェックが入るレベルだと思うけど。
ジェンダーによる役割分担がはっきりしていて、誰もがその価値観を内在化しているコミュニティー。この場所で働き、生活している女性は、東京にいるボスの言う「日本を女性が輝く社会に」という言葉をどう受け止めているんだろう。すごい気になりました。
それから、とっても印象的だったのが、大阪市内に住む60代の女性の言っていた「ガマン」って言葉です。街頭でお話を聞いたその女性は、橋下徹・大阪市長が主張する、大阪も東京のように「都」になるべきという大阪都構想に賛成の立場。投票用紙を握りしめながら、「今から投票に行くところ」と、とても熱心に自分の政治観を語ってくれました。彼女は大阪沖縄の普天間基地問題も引き合いに出して、「もっと大きな視点、国というレベルで考えた時に自分たちもガマンしなければならないと思う。沖縄の人もそうだ」と言ってました。「大阪も今は財政が大変だ。だから都になることで多少の不便やサービスカットになったとしても自分はガマンするつもりだ」と。
自ら「ガマンする」なんて、なんと立派な人!!と思う反面、他人にもガマンを強要するのはどうなんでしょうね。あと、「戦地に子どもが行くのは辛い。でも、大きな国家という視点で考えるとしょうがない。ガマンするしかない」なんてことにはならないのだろうかとも思いました。ガマンって、身の回りの人こと、自分のことを思い返しても、なんとなくナルシストの匂いがするというか、「こんなガマンまでして辛く立派なワタクシ」ってヒロインのような気持ちになりがちなので、けっこうなことまでガマンできちゃうんですよね。あと、自分だけではあきたらず他人にも要求しがち!
国がおかしな方向に向かう時って、きっと権力のある人だけでなく、ふつうの人がちょっと互いにガマンを強要しあったりする空気のなかで起きるんでしょうねー。
投票率は過去最低。でも「ガマンが必要」という人の気持ちは盛り上がっている。日本、静かに、ひそかにとっても怖いことになってる気がします。

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