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「関西連続不審死事件」の千佐子容疑者とあの木嶋佳苗の相似性。そして、日本の男女にとって「結婚」とは何なのか。

栗林デバ子2014.11.24

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一部週刊誌では以前から報じられていた関西連続不審死事件。
ずっと関心を持って見ていたのですが、先週、とうとう京都府警が動きました。
京都府向日市の筧勇夫さん(当時75)を青酸化合物を使って殺した疑いで、筧千佐子容疑者(67)の逮捕に踏み切ったのです。
筧容疑者の周りでは、2004年から、つきあったり、結婚したりした中高年の男性6人が不審な死を遂げていると言われています。千佐子容疑者の交際範囲は関西一円に広がっていて、すでに亡くなった方のほとんどは自然死として処理されている。
「外形的にはかなりグレーだけど、殺人を立証できるのかな」知り合いの記者からはそう聞いてました。今後、府県をまたいだ捜査で、どこまで過去のケースまで遡れるのか、それがポイントのひとつになっていくような気がします。

 

なぜ、デバ子がこの事件に興味をもったのか。
それは、千佐子容疑者とあの首都圏連続不審死事件で死刑を求刑されている木嶋佳苗がすごい似ている!と思ったからです。
木嶋被告は婚活サイトでしたが、筧容疑者も複数の結婚相談所に登録して、「資産がある高齢者」「子どもがいない」などを条件に婚活を繰り返していました。
交際していた男性も含め、受け取った遺産は数億円!にものぼるとみられています。
筧容疑者は逮捕される前からマスコミに追われていて、たくさんのインタビューに答えています。
そのなかでも印象に残ったのは、「結婚とは何か」を問われた時の回答でした。
「やっぱし、生活の安定」
ああ、彼女にとって、男性は、結婚は、生活の糧だったのだ。
佳苗被告も、婚活サイトで出会った男性に対し、「(結婚は)支援してくれることが条件」と明確に言っていました。

 

あるシングルマザーの女性の言葉を思い出しました。
女性の貧困に関する勉強会でのことだったのですが、昼も夜も仕事を掛け持ちして子ども育てても生活が成り立たない。いよいよ生活に困って「もう結婚するしかないと思った」というんです。今も多くの女性にとって、結婚は見もふたもなく、生きていく、子どもを育てていくための最終手段なんですよね。男性はそのことにどれほど自覚的なんだろうか。

 

筧容疑者が交際した男性に自分の結婚観をどう伝えていたのかはわかりません。男性が彼女に何を求めていたのかも。
勇夫さんは出会って5カ月で結婚を決断しています。週の半分は別居婚だといいますが、勇夫さんが「彼女ができた」と周囲に自慢していた、仲むつまじそうに歩いていた、という証言も出ている。

 

千佐子容疑者は一貫して容疑を否認しているから、真実がどうだったのかはまだわかりませんが、日本の男女にとって「結婚」とは何なのか。そこには大きなズレがあるんじゃないか。そんなことを考えさせられる事件な気がします。
そして、千佐子のような女性は日本にけっこう多いんじゃないかな。

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