安倍総理が9月に予定されている内閣改造で女性閣僚を大幅に増やすことを考えているようです。
デバ子がチェックした限りでは、現在18人中2人しかいない大臣を「6人に増やす意向」という報道もありました。
ご存じの通り、今の安倍内閣には、森雅子・法務相と稲田朋美・行革担当相2人しかいません。お隣の韓国は大統領が女性だし、フランスのオドランド政権は閣僚のほぼ半分が女性。そりゃ、先進国のスタンダードはそっちだよねー、と思ってニュースを見ていたのですが、もっとも興味深かったのが、女性閣僚増員計画を聞いた「ある自民党中堅議員」と呼ばれる人たちの反応でした。
「6人も女性を入れられたら男性の枠が少なくなってしまう。順番を待っている人たちはたくさんいる。ただではすまないだろう」
「女性だから良いというのはおかしい。ちゃんとした女性を入れないと、後々困ったことになる」
そんなようなことを名前も顔も出さず、あくまで自分の周囲の反応だけどね、みたいなニュアンスで語っているんです。
まぁ、きっと“本音”なんだと思いますけど、こんなくだらない感想が「国会議員の意見」として堂々とニュースで報じられる国って何なんでしょうね。記者も、女性議員には話を聞かなかったのだろうか。
「順番」って、つまり初当選して「ぞうきんがけ」からスタートした人が何期も何期も当選を重ねて、大物議員の近く(派閥ともいいますね)に長―くにいれば、自動的に大臣になれるシステムのことを言っているのでしょう。今まで男性しか並んでいなかった列に、女性が入ったら、その順番待ちの列が長くなってしまう、と。
政治の(というか自民党の)人事は今も「派閥」と「期」なんだ!少なくとも、そう信じている人が今もいるんですねー。そんな列におとなしく並んでいる議員なんて、いらないんですけどね。だって、いかに上にいくかしか考えていないもん、ぜったいにちゃんとした仕事なんてしないでしょ。
それに「ちゃんとした女性」って誰のことなんでしょう?女性議員は全員、あなたと同じように有権者から選挙で付託を受けてますよ。こんなつまらないことをさも大切なことのように、匿名で発言しているあなたこそ国政に携わる資格はないのではないかと思っちゃうけど。頼むから「ちゃんとした男」になってくれ!
きっと、女性閣僚が誕生しても、こういうオッサンらに足を引っ張られたり、意地悪をされるんだろうな。
8月4日に三重県が主催した女性の社会参加についての会議でも、三重県漁連の会長が「女は下、女のくせに、という頭から逃れられない」と発言して話題になりました。
しかも、報道を受けてアップされた「みえぎょれん」のHPの「会議での新聞報道について」という文章が、かなーりふるってます。発言の主である会長は、発言のごく一部だけが取り上げられてしまったために、意図が十分に伝わっていない、として発言の全文を掲載しているのですが、それがコレです。
<漁業者の立場からいうと、私たちは古い人間なので「女は下や」「女のくせに」という概念から逃れられない。例えば、課長を女性にした場合、浜に入札にいったときによそに対抗できるかといというと、よっぽどでないと対抗できない、そういう面もあります。また、昔から「男は度胸、女は愛嬌」というけれど、まったく反対だと思う。女の方が絶対度胸がある。私がいままで女房に反対されたことを無理やり押し通してやったことは、全部失敗している。そういうことなんだけど、人口の減少化、それがますます進んでいくと絶対人口がもっと減ると思うのです。仕事を一生懸命していて、子どもを作る暇もないということになってくると思う>
自爆する気なのか?!女はつまり社会参加よりも、子どもを産んで育てていろと?それが本当に言いたかったこととは・・・。最近、「海へ、独身女性いらっしゃい」みたいな見出しで、高齢化や後継者不足に悩む地方の漁連が、独身女性を募って独身男性漁師との交流会を開いている、という新聞記事を見かけたのですが、その裏にはべーったりと、この漁連会長のような思惑や考えが張り付いているんでしょうね。き、気持ちが悪い・・・。
あげく、末尾に
< 以下につきましては発言ができませんでした。「このように現在の社会環境は、女性が働きやすいように整備がされていないので、今後、女性がいきいきと活躍できる様、環境を整備するために協議を続けていきたいと考えております」>
デバ子、確信を持って言います。この発言のおかしさに気がつかないあなたには、絶対にそんな環境は整備できません!!
「女は下」と言ってみたり、「従軍慰安婦は必要だった」と発言したり、セクハラやじを飛ばしたのに名乗り出なかったり、女子中学生にLINEで「ただじゃすまさない」と脅してみたり・・・・(キリがないので、以下略)。
日本で、本当に増えて欲しいのは「ちゃんとした女性」ではなく「ちゃんとした男性」だよ・・・。