この1週間、日本を、いや世界でも“号泣県議”として話題を呼んだ野々村竜太郎兵庫県議。とうとう辞職願を提出しましたね。(7月11日現在)
「政務調査費も大事ですよ!大事ですけれども、議員という大きなくくりの中では小さなものなんですっ」
「縁もゆかりもない西宮市民の方々に選出されて、やっと議員になったんですーっ」
大声で泣き叫び、むせび、机を叩きながら、次々繰り出される名言の数々を、デバ子むしろすがすがしい思いで見てました。
大量の切手をリサイクルショップで買っていたこととか、議員としての資質とかはさておき、あんなに思いっ切り泣けるなんてすごいことです。
見ている方も、なんかスッキリした気分になりませんでしたか?(何度も言いますが、やっていたことの中身はさておき)。
会見を見ながらふと考えてしまったのは、理研のユニットリーダーである小保方晴子さんのこと。
STAP細胞論文を巡る記者会見で、小保方さんは時折、涙を浮かべながら、自身の潔白やSTAP細胞の存在を訴えました。
正直、会見でも現段階でもSTAP細胞があるのかないのか。実験がきちんと行われていたかはわからないけど、あの時、小保方さんが泣いたことについて大きく報じられたことは覚えています。
新聞の見出しにはデカデカと「会見で涙」とか書かれ、(「見出し、そこ?」って感じですよね)広報の専門家やら危機管理のプロとかがもっともらしくコメントしてました。
「情緒に訴えた会見」「小保方さんをかわいそうと思う人は増えるだろう、うまい会見だった」とかね。
あげく「涙で科学はごまかせない」という識者まであらわれました。
小保方さんは涙で科学をごまかそうとなんてしていないと思いますけどね。あなたが、論点を見失ってしまっただけで。
いやー、勝手に感情を揺さぶられておいて、文句とか批判をするって本当に都合がいいですね。
一方で、野々村議員の涙は、揶揄や笑いの対象にはなっても、「涙で疑惑をごまかそうとした!」とかは批判されないわけです。
会見の場じゃなくても、仕事をしていれば、上司や仕事相手に怒られたり、理不尽なことをされて悔しかったり、泣きたい場面、思わず涙が出ちゃうことってありますよね。
でも女性って「泣いちゃいけない」ってすごくこらえていませんか。
アメリカのアラフォー女子4人が主人公のドラマ『セックス・アンド・ザシティ』でも
アートディーラーとして働いていたシャーロットが、「仕事で泣いたらずっーと言われる。泣いたシャーロットって。泣いたのはたった1回だけなのに」と訴える場面があります。
いまだに女の涙は重い。
男より女性のほうが涙についてやましさとか重いものを背負わされている気がします。
もっと涙に優しい社会になってほしいです。
【栗林デバ子・くりばやしでばこ】
週刊誌記者。事件や裁判、犬とK-POPをこよなく愛するおひつじ座。シンガポールの動物園でハダカデバネズミを見てから、その怪しい魅力にハマっている。
ひっそり土の中から世の中にキバをむくデバ子・・・。