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横峯さくらさん、袴田ひで子さん、村木厚子さんに見る女の「戦い方」

栗林デバ子2014.04.25

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プロゴルファーの横峯さくらさんが結婚を発表しましたね。
お相手はさくらさんのメンタルトレーナーをしているとか。
メンタルトレーナーって、養成講座のHPによれば、アスリートからビジネスパーソン、受験生まで、緊張や不安が襲ってくる大事な場面でいかに結果を出すか、メンタル面でのサポートしてくれるらしいです。
すごい!夫がメンタルサポート、そりゃますます強くなるわ?。デバ子もメンタルトレーナーの夫が欲しいっ、と思ったんですが、さくらさんが出したコメントに力が抜けました。


「彼は仕事をしていると食事も忘れてしまう人なので、栄養面も考えて料理をつくり、彼を支えていけたらいいなと思っています」


養成講座のHPによれば、メンタルトレーナーは「心理学をベースに身体・栄養を見て、その方にあったサポート」するのが仕事らしいですよ。
それなのに、それなのに、こんな才能あるアスリートでさえも、家庭では栄養面でサポートにまわらねばならないのか・・・。余所様の家庭のことなんで、ほんっとーに余計なお世話なんですが、横峯夫よ、これからもさくらさんを支えてあげて下さいね、と思っちゃいました。
さくらさんは、夫をはじめ、その道のプロのサポートを受けながら、ライバルたちと戦ってきたわけですが、世の中にはいろんな戦いがあるなぁと思います。


少し前ですが、一家4人を殺害したとして死刑が確定していた元ボクサーの袴田巌さんに静岡地裁が再審決定を出し、釈放されましたね。
逮捕から48年、死刑が確定してからは33年、死の恐怖に向き合いながら、ずっと無実を訴えてきた巌さんについて、その怒り、苦痛、悔しさ、デバ子は何も言う言葉が思い浮かびません。
そして同じ時間、遠くから巌さんを支えてきた姉、ひで子さんはどう戦ってきたんだろうかと思いました。
ひで子さんは、弟を支えるために、何度縁談が持ち込まれても、巌さんのことを最優先にしたいから、と断り、ずっと巌さんを支援してきたそうです。冤罪や警察や検察による証拠捏造事件が次々明るみに出るよりはるか前、検察や裁判所の権力は今より、もっともっと大きかったはずです。巌さんと同じ会社務める同僚に応援を頼んでも、同じように無実を信じてくれる人は少ないなか、ひで子さんは「1人でも支える」と戦ってきました。
人生の半分以上の時間、孤独感や絶望をどう乗り越えてきたんでしょう。

同じように冤罪の当事者となってしまった厚生労働省事務次官の村木厚子さんが以前、週刊誌の対談で、戦いに負けないために必要なのは「折れない心、体力、プロの支え、家族、経済力」と「高望みをしないこと」だと言ってました。目標設定が低くても長い時間をかければ、ずいぶん遠いところまで行けると。そこはどんなに足が速くても馬力があっても短時間では決してたどり着けない場所なのだそうです。


デバ子は村木さんの裁判を傍聴したことがあるんですが、「大物国会議員からの指示」とか「法律をスムーズに成立するため」とか、世間の人から見ると、永田町ってやっぱりそういうところなの?って思ってしまうような臨場感のあるストーリーで“有罪らしさ”を煽る検察に対し、冷静にたんたんと客観的な証拠を積み上げて、無罪を主張する村木さんや弁護士さんたちの姿が印象に残りました。
よく「女性は感情的」とか言われますが、デバ子が見た限りでは、検察は多くの裁判で感情に訴える扇情的な戦い方をしてると思う。

ひで子さんも同じだったのかなと思いました。裁判所が検察の主張通りの判決を出したり、巌さんが拘禁症状で、「姉なんていない」と面会を拒んだりした時も、たんたんと自分を励ましながら一歩一歩歩き続けてこられたのかもしれないなぁと。
いつか機会があったら、ひで子さんの戦い方を聞いてみたいと思います。

 

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【栗林デバ子・くりばやしでばこ】

週刊誌記者。事件や裁判、犬とK-POPをこよなく愛するおひつじ座。シンガポールの動物園でハダカデバネズミを見てから、その怪しい魅力にハマっている。
ひっそり土の中から世の中にキバをむくデバ子・・・。

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