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なんてレイプに優しい国なの!ニッポン!

栗林デバ子2014.04.11

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最近、流行っているんでしょうか。
「女性の皆さんにはぜひ力を発揮して欲しいっ」「ウーマノミクスです!」
最近、会社の男性上司がキラキラと輝く目でそう訓示するのを聞いて、デバ子、年度初めからほんとうにゲンナリしました。安倍首相にでもなったつもりかよ!男社会ってイヤですね。

裁判を傍聴していると、裁判所もつくづく男社会だなぁと思います。


3月27日、鹿児島地裁でゴルフの教え子に対する準強姦の罪に問われた男に無罪判決が出されました。
被害を受けた女の子は当時18歳。プロゴルファーを目指し、中学生の頃から男にゴルフの指導を受けていたそうです。


彼女は、高校卒業を控えたある日、男に「こういうとこ来たことあるか?」「社会勉強や」とラブホテルに連れていかれ、性的暴行を受けました。
男はそれまで「練習の邪魔になる」とバリカンで(!)彼女の前髪を刈ったり、化粧を禁止したり、生活態度に厳しく、彼女はまさか自分に性的な関心を向けているとは思わなかったそうです。
まさか変なことはしないだろう。「やめて」と言ったら「自意識過剰だよ」と笑われるんじゃないか。驚きと恐怖で体が固まってしまい、彼女は抵抗することができませんでした。


デバ子だって10代の頃、父親よりも年上の男がまさかそんなことをするなんて想像もしなかった。しかも、相手はすごく信頼していたゴルフの師匠です。彼女の恐怖とショックと・・・、想像にあまりあります。
当然、その事実を知った彼女の両親は激怒しました。呼び出して話を聞くと、男は「魔が差した」とレイプしたことを認め、泣いて謝罪したそうです。
そして、警察に被害届を出さないかわりに、「もう二度とジュニアの指導はしない」という誓約書を書いたといいます。


ところが、しばらくすると男はまた女子学生の指導を始めます。
彼女は「また自分のような被害者が出るんじゃないか」という恐怖で、警察に被害届を出しました。ところが、検察は「女性は抵抗しようと思えばできたのにしなかった」と男を不起訴処分にしたのです。
本当にびっくりしますよね。
当事者である男が「レイプした」って認めて、泣いて謝罪していても、それでも裁判にすらならないんだ。
なんてレイプに優しい国なの!ニッポン!

それでも彼女はあきらめず、検察審査会に申し立てをしました。
検察審査会って、ご存知かもしれませんが、一般の市民から選ばれた審査員が検察の出した処分が間違っていないかを審査する制度で、2回「起訴すべき」という判断が出たら強制的に起訴されることになっています。
男も「起訴相当」が2回出て、起訴されることになりました。
そりゃそーですよ。18歳の女の子を指導者って立場を利用してホテルに連れ込んで、おとがめなし、なんておかしいでしょ。


ところが、ところが、です。信じられないことに、裁判所は「DVのような強い支配従属関係にあったとは言えない。女性が人間関係を壊さないため、主体的に抵抗しなかった可能性も排除できない」として無罪判決を出したんです。
この国では、監禁されたり、首輪でもされたりしていないと「支配」って認められないんですかね?支配とか暴力とかに対する考えが薄っぺらすぎじゃないですか?
もし、自分が裁判で罪に問われることがあったら、「無実をアピールするため、ピュアな白を着てきました!」とか言って、白いワンピースで出廷したら、罪軽くなったりすんのかな?とか思っちゃうほどの浅さ・・・。

ロンドン五輪では、女子柔道で優勝した米国のケイラ・ハリソン選手が元コーチから性的虐待を受けていたことを告発して注目を集めましたが、日本のスポーツ界はもっともっとひどいんだろうなあと想像します。
彼女のように、勇気を振り絞って訴えても、声が届くことはない。
声すら上げられない、あきらめてしまっている人も多いんじゃないでしょうか。


冤罪事件が起きると、警察や検察の責任を問う報道が増えますが、裁判所の罪も、ほっんとに大きいと思う。
女性裁判官にもっと増えて欲しいです。

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【栗林デバ子・くりばやしでばこ】

週刊誌記者。事件や裁判、犬とK-POPをこよなく愛するおひつじ座。シンガポールの動物園でハダカデバネズミを見てから、その怪しい魅力にハマっている。
ひっそり土の中から世の中にキバをむくデバ子・・・。

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