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LPC官能小説第26回「肩を寄せ合って子猫を見つめる私たち。次の瞬間唇を奪われ…」

鍬津ころ2018.09.25

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 三連休の最終日。猫を飼っている友達の家で、モフモフ三昧、超癒された翌日。
 猫の里親募集とか、譲渡会とかいうのが、私の近所で開催されると聞いた。
 猫好きのカフェオーナーが、店を会場として提供していて、コーヒーのサービスがあるんだって。
 住んでいるアパートはペット禁止なんだけど、ちょっと覗きに行くくらいなら、罪はないはず。
 私は寄付代わりのキャットフードを持って、町外れの隠れ家カフェに行ってみた。

 友達が言っていた通り、カフェは古民家を改造した小さな一軒家。
 大勢の人が群れているってわけじゃないけど、けっこう出入りがあるみたい。
 近づくにつれて、ミャ〜、なんて鳴き声も聞こえてきて、テンションが上がる。

 店の中にケージが入り切らないらしく、ささやかな庭先にもいくつかのケージが置いてある。家族連れやカップルが覗き込んだり、写真を撮ったり。
 揃いの腕章をつけたボランティアらしいスタッフが、猫の説明をしたり、チラシを配ったり。
 和やかな雰囲気だけど、お一人様の私が混ざるには、ちょっとキツい感じ。
 キャットフードも渡さなくちゃいけないし、私はまず、店内に入ることにした。

 木材の香りがする、薄暗い店内。
 テーブルやカウンターの上にもケージが置かれ、数人の里親候補が、紙コップ入りのコーヒーを片手にその間を歩き回っている。
「これ、寄付というか、差し入れなんですけど……」
 手近な腕章の人に声をかける。

 その前に、気づいておくべきだった。
 ありがとうございます、と振り返った人影が、周囲から頭ひとつ分高い、長身だったことに。
 そして、ミシュランのキャラクターみたいにモリモリした腕が、腕章が回り切らないほど、太く逞しかったことに。
「あ、これ、療養食じゃないですか。助かります。ちょうどこれを食べさせなきゃいけない子猫がいたんですよ」
 糸のように目を細めて弾んだ声を出すこの人がーーー
 四条丸駆クン、だったことに。

「臆病で、まだ人前には出せないんだけど、雰囲気に慣れさせようと思って連れてきてるんだ」
 彼はそう言って、私をカウンターの後ろに連れていってくれた。

 ピャ〜、とか細い声がするケージの中を見た瞬間、
「かっ、かわいい〜〜っ!」
 思わず、声が出る。
 三十センチあるかないかの、小さな身体。
 ポソポソ、フワフワの真っ白い毛並み。片方の前足と鼻の横に、グレーのブチがアクセントになっている。
 目ヤニは出てるけど、真っ青の大きな瞳が、ホントに可愛い。
「このコね、もう四ヶ月近くなるはずなんだけど、保護する前の栄養状態が悪かったらしくて大きくなれないんだよね」
「こんなに可愛いのに、かわいそう……」
 カウンターの下に踞り、肩を寄せ合って子猫を見つめる私達。
 この距離、けっこう、いやヤバイほど、近いんじゃない?

 と、思ったときには、唇を奪われていた。
「君、優しいんだね」
 なんて、蕩けるように甘い声で囁かれたら、抵抗なんてできるわけもなくて。
 ペットフードのことなんか全然わからなくて、適当に買ったもので、こんなに喜んでくれるとも思わなくて。
 すっかり混乱した私は、彼のなすがままに顔の角度を変えながら、濃厚なキスに溺れていった。

 カウンターの向こうには、譲渡会のざわめき。
 スタッフやカフェのオーナーが、いつ入ってくるかわからない暗がりで、私は尻餅をついたような格好で、両脚を大きく開かされている。
 私を腿の間にはさみ込んで、後ろから抱きかかえる彼の手が、デニムのファスナーを下げて、下着の中に忍び込んできた。

「……っ、アッ、だめ、だめぇ……」
「どうして? もうこんなに湿ってるのに?」
 その通り。
 キスで蕩かされた私のアソコは、彼が下着越しに指先で押すだけで、クチュンと音がするほど濡れてしまっている。
 だけど。
「……こ、子猫が、見てる……っ」
 羞恥の涙でかすむ視界の先に、キョトンと目を見開いた子猫。
 こんな純真無垢な瞳の前に、ドロドロのアソコをさらすなんて、耐えられない。
「子猫は、動くもの何でも興味を持つからね。この指の動きが面白いのかな?」
 なのに彼、そんなこと言いながら下着を引き下げて、激しく指を抜き差しする。
 クチョ、グチュッ、ぷちゅん!
「んんっ……ダメ、っぁあん!」
 スゴい音がして、私の羞恥心がアソコから溢れ出す。熱い泉の奥底を掻き回されるのが気持ちよすぎて、腰がガクガク動いてしまう。
「ほーら、猫ちゃん、ニンゲンはエッチだねえ。こんなにヨダレを垂らして、お尻を振って喜んでるよぉ〜」
 子猫の方へ私の股間を迫り出させながら、彼がまさしく猫撫で声で、意地悪を言う。
「やぁん、そんなコト……ッ!」
 言わないで、という余裕もない。
 彼の、ゴツゴツした太い指が、三本もアソコで暴れているの。
 並み以下の祖チンや、単純なバイブなんか及びもつかない、複雑で大胆で激しい刺激。
「はぁ、はぁあ……もぉ、イ、イくぅ……ッ!」
 子猫の顔にかかってしまいそうなほど勢いよく、潮まで吹いちゃって、私。
 周囲のことなんてどうでもよくなるほど、強烈なエクスタシーの頂点へーーー

 イク、はずだったんだけど。
 周囲が見えなくなっていた私は、庭先に置いてあったケージにつまずいてしまって。
 中にいた犬が、びっくりして大騒ぎを始めて。
 せっかくのいい雰囲気が、台無しになりかけてしまって。

 動物のいる所で妄想に溺れて、周囲に迷惑をかけないようにしましょう。

 そんな教訓を胸に刻みながら、ペコペコと周囲に頭を下げるハメになった。

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鍬津ころ

鍬津ころ(くわつ・ころ)

札幌出身、東京在住。山羊座のO型。アダルト系出版社、編集プロダクション勤務後、フリーの編集者&ライター。2011年『イケない女将修行~板前彼氏の指技vs官能小説家の温泉蜜筆』でネット配信小説デビュー。近著『ラブ・ループ』(徳間文庫)。馬、鹿、ジビエ大好き飲んだくれ系アラフォー女子。タバコの値上がりには500円までつきあう覚悟。 

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