何かと話題の、マンガ読み放題サイト。
あんまり興味がなかったんだけど、最近、学生時代の友達が、配信サイトに転職したと聞いて。
もちろん合法的なサイト。そのコ、会員登録したら、特選R18マンガが、一週間無料になる特典が付くっていうの。
どうして女の私をHマンガで誘うわけ!?
とは思ったけど、来週からは、何の予定もないゴールデンウィーク。
全く興味がないワケでもないHマンガを、こっそり読み放題なんて、情けないけど、サイテーってほどでもないよね。
金曜日の夜。
そんなわけで私、「特選R18作品が読み放題!」というボタンをタップする。
テーブルの上にはプルトップを開けたばかりの缶チューハイ。
スーパーで買った生春巻きと、フライドチキン。
そのときの私は、いくら特選といったって、マンガくらいでそんなに興奮しないだろうと、タカをくくっていた。
喘ぎ顔の女の子や、脂ぎったオジサンのアイコンが並ぶ画面を、なんとなくスクロールしていく。
缶チューハイを舐めながら、やっぱり大した事ないなあ、なんて思っていたとき。
目に留まったのは、場違いなほど爽やかな、好青年の笑顔。
短い髪の先が栗の実のみたいに尖った、独特のヘアスタイル。日に灼けた肌。太く逞しい首は、アイコンの小さい画面に収まりきっていない。
このキャラのモデルって、明らかにーー!?
四条丸駆クン!
彼ほどの有名人で、マッチョの代表選手だったら、Hマンガのモデルにされてもおかしくないかもしれない。
だけど、肖像権とか、名誉毀損とか、大丈夫なのかしら。
などと考えている間に、指先は勝手にアイコンをタップ。
画面いっぱいに、閲覧ページが開いていく。
画面には見開きで、これぞ王道、といったラガーシャツにショートパンツの股間が強調された彼の、試合シーンが描かれていた。
ヘッドギアに群がる敵の腕をかいくぐり、ボールを腰に構えて敵陣を押していく姿は、実写みたいな迫力。
マ、マンガとはいえ、かっこいい〜!
思わず身もだえしながら、次のページへ。
試合は2ページで終了したらしく、タオルを肩にかけた彼が、一人で更衣室へ向かっていくところ。
と、廊下の隅に、女性らしい靴の先が。
『……いいコだ、ちゃんと待ってたんだね』
汗が残る顔を、ニヤリと歪める駆けるクン。
『……だって、命令、したじゃない……』
マンガのコマは、ふるふる震える女性の足を下からナメていく。何故か、脛や腿には、汗の粒。
最後のコマで、彼は女性キャラの顎を、グイッと持ち上げる。
思わず喉を鳴らしながら、その先の見開きへ。
「……ぇえ〜〜っ!?」
次の瞬間、私は缶チューハイを放り出し、両手でスマホを握っていた。
これ、このキャラ。
マンガの絵だけど、かなり美化されてるし、胸もお尻もモリモリ盛られているけど。
でも、鏡を見るまでもなく、わかる。
このキャラ、私だ!?
『お願い……試合に勝ったら抜いてくれる約束でしょう?』
真っ赤な顔に涙を浮かべ、”モジモジ”という擬音をまといつかせた私(?)が、懇願している。
抜くって、何を?
その疑問は、次のページで解けた。
彼、ニヤニヤしながら、私のミニスカを、グイッとまくり上げたの。
表れたのは、下着もつけず、拘束具のようなベルトを巻かれた下半身。
そのベルトは、私の股間に何かを固定しているみたい。お臍の下に、これ見よがしの錠前がついている。
コレって、やっぱり、そうゆう、大人のオモチャ、なのかしら。
『あれえ? 抜いちゃっていいの? オレの試合に興奮して、そんなに濡らしてるのに? 本当はスイッチを入れて欲しくて、待ってたんだろう?』
駆クンの、初めて聞くような乱暴な口調。
いじめっ子みたいな表情が、怖いけど、キュンとしてしまう。
これがMっ気ってやつかしら。
そして彼、
『こんなふうに……な!』
さすがマンガ、どこからか取り出した小さなリモコンを、一気にMAXまで操作した。
「ヒイィッーーー!」
悲鳴は、私の口から漏れていた。
うそ。
なにコレ、お腹の奥で、強烈なバイブレーションがうねる。
えぐられる。こすられる。
『ほらほら、もっといつもみたいに、はしたなく脚を開いてよがってみせろよ』
彼の言葉責めが、頭の中に響く。
マンガの中の自分と、現実の自分が重なって、溶け合って、何が何だかわからなくなっていく。
わかるのは、私が廊下の壁にもたれ、膝を曲げておおきく脚を開いた恥ずかしいかっこうで、彼の方に股間を突き出し、くねらせていることだけ。
ヴヴヴヴ、と、子宮に当たるほど深い部分から、アソコ全体を揺らす、痺れるような刺激。
『「アッ、あぁあ、ダメ、そんな強くしたら、私、私……っ!」』
『イきたかったら、わかってるだろ? オレが、試合後は気が昂って、一発出さないと収まらないって……』
リモコンをいじりながら、シルエットになった彼が言う。その股間が、ユニフォームを突き破りそうに、ギンギンになっている。
試合後の、蒸れた汗の匂いに、気が遠くなりそう。
ああ、そうだった。
どうすればいいのか、私は知っていた。
彼に、そう調教されたんだから。
私はガクガク痙攣する片手を壁について、彼に背中を向ける。
勝手に前後しては、エクスタシーをかすめ取ろうとする腰を、何とか抑えて、スカートを背中までまくりあげる。
そして。
「……わ、私の、淫乱で、どうしようもない、お……お尻ま○こに、熱っついお精子を、いっぱい、出して、くださいッ……!」
恥ずかしさのあまり、目の前の壁が赤く染まって見える。
だけど、この羞恥を超えると、
『よーし、ちゃんと言えたから、ご褒美だぞ』
待ち望んでいたセリフと一緒に、彼の力強い両手が、ガシッと私の腰を捕まえた。
入れられちゃうの、後ろに。
貫かれた瞬間、前と後ろ両方で、イッちゃうの。
それから何度も、何度も、彼の興奮が収まるまで、イかされ続けるの。
私と彼、そういう関係なの……。
ハッと我に返ると、見上げる天井には、お馴染みの電灯。私、床に大の字になっているみたい。
ちょっと身動きしただけで、痺れが残る股間がニチャッとする。
そばのスマホを手に取ると、それほど彼に似ているわけでもない数人のマッチョ男と、私とは似ても似つかない巨乳熟女の乱交シーンが表示されていた。
「……私の妄想の方が、よくできてるんじゃない?」
とはいえ、またあんな体験ができるんだったら、一週間見放題は悪くない。
コレ、お風呂で見たらどんな感じかしら。
そう思いついて、私はバスタブを満たすために立ち上がった。