「一昔前は違ったけれど、今さらそんな時代でも年齢でも無いし、普通の日よ!普通の日。年末だから大掃除もしなきゃならないしっ!」
なんて敢えて言ってしまうのが、クリスマスイブという日。
と公言している割には、
未だ寂しくないようにホームパーティのスケジュールをしっかり入れているわたしは、
根っからのバブル臭漂う女だなと思う。
だって、
やっぱり、
クリスマスイブに、
ひとりぼっちはイヤなんだもの。
バブル終盤に学生時代を過ごしていたから、
トレンディドラマのようなクリスマスイブを過ごして当然。
『わざわざクリスマスにレストランでディナーなんてカッコ悪いよな!』
なんて曰う男は願い下げ。
クリスチャンの家庭で育ったわたしにとってはクリスマスイベントはものすごく大事なもので、
ファミリークリスマスをなげうってまで男と過ごそうとしているのだから、
それ相当の見返りは無ければねぇ。
食事、
プレゼント、
セックスと、ね。
その前戯とも言える食事を蔑ろにするのはダメなのである。
ここで料理とワインが紡ぐクリエイティブなロマンチックを育んでおかないと、そのあとのセックスが楽しくないからね。
バブルもはじけ一気に雰囲気に金を使わなくなった時、
居酒屋でクリスマスディナー(笑)をしラブホにしけこんだイブがあった。
これまでと違う展開だったから、
セックスも新たな境地かと思ったが、
そうは問屋は卸さなかった。
ちんこ咥えてもスペシャル感が無い。
まんこ舐められても盛り上がりに欠ける。
せっかくの聖夜が、
一年に一度の夜が、
普通の夜でしかないのだ!
ああファミリークリスマスを選べばよかった。
なんならクリスマス礼拝に行き、
なぜこんな夜を過ごしたのか、
神様に赦しを乞いたいくらいだった(笑)
やっぱりクリスマスイブはディナーで始めロマンチックに過ごしたい。
そう思うからこそ、秋からの狩りでは、
クリスマスイブに照準を合わせるものの、
なかなか結果が伴わない年が続いた。
涎垂らしながら忍び寄る肉食獣の発するオーラはよほどガツガツしていたのだろう。
インパラ君たちは雪が降ると消えて行った。
反省。
セックスは無くてもいい!
エロい食事じゃなくてもいい!
イブの食事くらいは非日常なものを頂きたい!と叫んだ、とあるイブの夕方。
当時テレビ局で働いていたわたし、
当時懇意にしていた有名シェフのレストランのクリスマスディナーのリーフレットを見ながら、
上記の台詞を叫んでいた。
するとおもむろに電話を切った上司が、
『2030スタートなら2名入れるわよ。いってらっしゃい!』と。
マダムに直連絡してくれたのだ!
終業を待たず、すぐ空港に走った。
ラッキーなことに空席もあった。
セックスはおろかキスすら無い女同士、
いや普通の同僚だが、まあいいか。
2030にフレンチレストランの門を叩いた。
席についた。
イブらしくピンクシャンパンで乾杯。
まぁ喉乾いていたし、
即決で東京に来ちゃったことに興奮していたし、3口で飲み干しおかわり。
ソムリエの苦笑を認識しながらも、
ちょっと落ち着き周りを見たら、、、
わたしサイドのエスコート席、全員スーツ男。
しかもカチンコチン。
向かいの席、全員女。ふりふりヒラヒラジョーゼット系女。
何も誇張しているわけではなない。
ホントにそうだったのだ。
ここは集団見合い場か?
と見まごうばかりの。
そういやカップル席には、マネーの虎のアノ人も居たなぁ。
料理は進む。
素晴らしいクリスマスディナー。
シェフもチョイチョイ顔出しに来て、
『お前らアツアツのカップルかー?』と冷やかす(笑)
まあ楽しい食事だった。
お料理に合わせてワインもどんどん飲み干し、
ふたりで3本空けた頃、周りを見渡してみた。
乾杯後の風景と並べても、相違なし。
間違い探しなら、かなり難易度が高い画だ。
そう、ズラリと並ぶカップルたちは、
乾杯のピンクシャンパンから盃が進んでいないのだ!
『当たり前じゃん、これからセックスするんだもん。勃たなくなったり吐いたらもったいないじゃん!お金かかっているんだし!』と同僚。
たしかに我々くらい飲むのはちょっと行き過ぎだが、何よりフレンチはワインあって皿が完成される。
クリスマスディナーのフルコースときたら、
誰もが8割満足間違い無しのベルトコンベア的ものぐさコースでもあるのだから、
ワインのマリアージュも難しくはない。
そんなに飲まなくてもおすすめされる白と赤のグラスワインを合わせればいいだけの話じゃないか!
出費だって大したもんじゃない。
このエビくらいの出費が、鯛を釣ることに効果的。
皿ごとに変わるワインによる特別感とアトラクション感、
そして五感とアルコールの組み合わせが、
ふたりの共通体験となり、
ワインが程よく緊張をほぐし、
美味しい料理が心身をリラクッスさせ、
その後待ち受けるものへの偉大なる前戯となるのに、なんと言う機会損失かっ!
食後ベッドで出されたプレゼントがショボくても、
食後ベッドで出されたちんこがショボくても、
それを補ってありあまるイベントが、
フレンチのクリスマスディナーではあるまいか!!
一年に一度だけの聖夜だよ!
周りのテーブルのカップル達をまな板の上に上げながら評して盛り上がるわ盛り上がるわ(笑)
美味しく食べ美味しく飲んだ我々は、
レストラン内のバーで更に呑み、
そのあと別のバーに繰り出し、
まんこを使うことは無い単なる泥酔イブを過ごしたのだが。
さて2017年のクリスマスイブ。
気になる男を誘い友人同士でホームパーティを計画。
いきなり狩らず外堀埋める作戦で(笑)
しかしホームパーティ開催家が風邪に倒れ当日ドタキャン。
イブの16時から慌てて店探しをする羽目に。
ベタベタのクリスマスディナーがあるような店だと男は引くだろうな…と、
クリスマス色は無く、味は良い店を選択しクリスマス難民(笑)として予約した。
クリスマス色は無くとも、
コース料理があることが大事。
更年期真っ只中、大豆イソフラボンのサプリ摂取により性欲も高まって来たので、
酒と料理のマリアージュで一皿ずつ盛り上がれるような演出ができる店にした。
虎視眈々。
待ち合わせて、「災難だったよねー」なんて言いながらクリスマスディナー開始。
素敵な中国料理でのディナー。
シャンパンに始まり、
ワインを合わせながら進むコース。
ボディタッチも増えたり、
セクシャルな会話も飛び出したりと、
シナリオ通りに進んだ。
のだが、
シナリオが完璧過ぎ、
食欲が性欲すらも満たしてしまったオチ。
「じゃあまたね!メリークリスマス!」
空いた隣の空間がやたらと寒く感じる夜だった。
2018年、その男とセックスできるのか?
乞うご期待!