【セックスどこでする?】
これ大きな問題ではなくって? どこでセックスするかは、 気持ちいいか悪いかではなく、 イクかイかないかにかかってくる。
断然、家派はかく曰う。 「別に寝室に洗濯物がかかっていても、 生姜焼きの匂いが換気できていなくても、 セックス普通にするしむしろいつでもすぐできるから家の方がいいですよ」 と、新婚の女友達。 日常の中でムラムラしたらすぐセックス。
ふぅむ。 真剣に台所に向かっている男の背中エロいわね。 逆光で生の貝類さばいて両手塞がっている背中、足元に座り込んで一方的にちんこ咥えるとか、うんエロい。 確かに知り合ってそんなに経っていない男の家のあらゆる場所にてあらゆる体位でするセックスは楽しい。 男の身体探索、 男の歴史探訪しつつ、 男とのセックスの可能性を探る。
この探索的行為と、 男の日常生活に他人であるわたしの体液をマーキングする行為に興奮する。 興奮が興奮を呼びイケる、結構。 それは他人のテリトリーだからか。 だいたいマーキングし終えたら、 この興奮も続かない。
で、家でイケるの? 「8割方イきますね。」 グッズ使って? 「えーっ!持っていませんよ!夫のだけで十分です。」 生活感はセックスの邪魔にならないの? 「日常生活にセックスがいつもある方がエロくないですか?ノーブラノーパンですよいつも!」 すごい!手練れ! そこまでなれたら場所なんてどこでもいいやね。
わたしは無理だなぁ、自分のテリトリー・我が家でのセックスは。 いつも眠っているベッドで、 安息を確約する寝具で、 自分だけのプライベート空間でセックスするなんて! セックスはわたしにとってアトラクションでありたい。 ご褒美だったり、 カンフル剤だったり、 イベントだったり、 狩りだったり。 人生を楽しくするスパイス的に。
どんなに素敵なセックスだったとしても、 その満足度合いとセックス後の痕跡の汚さは比例する。 まだシーツやタオルなら、あたしや男の体液でぐちゃぐちゃになっても洗えば済む。 いや、本当は、 家でセックスの後始末する自分の姿が嫌だ。 その背中が嫌だ。 後始末は生活の延長すぎる。 ともすれば内職ノリに近い。 残念、アトラクションに非ず。
さらに痕跡が布団やマットレスに染みたら悲しすぎる。 潮吹いてしまったがために大型ごみの日に布団捨てたわ、 高価なマットレス汚さないようにビニールかけたりと「何やってんだわたし」状態に陥ることしばし。 満足いくセックスの度にマットレスをダメにして、となるのは避けたい金銭的にも。 寝具汚さないようにと思うと興奮冷めて完全にイケなくなるし、 イカなくてもいいわよ気持ち良いから!だけじゃつまらないし、 じゃあ汚れてもいいフローリングでとなると身体痛いし、 これが毎回となるとなんのためにセックスしているかわからなくなる。 ご近所付き合いの果てまで、 小さなことが気になってしまう悲しい性、わたし。 やはりセックスは家庭に持ち込むべからず。
そうすると、 すでに幾多の人々の体液が染み込んであろうホテルや、 どんなに潮を吹いてもOK広いバスルームがあるところの方が割り切ってセックスを楽しめる。 個人的にはラブホテルは好き。 セックスするためだけの空間という潔さ、 キラキラした部屋に見せておいて書割とハリボテの人工物感、 防音などを謳いながらも覗かれているかもというスリリングさ、 そこに来る客の思惑、働く人の背景、 灯る部屋の明かりの下にあるそれぞれの人生。 まさに猥雑。 己のみならず他人の日常生活や人生をもひっくるめた時、 それはそれはドラマチックな非日常となる。 それら全てを感じながらセックスに耽るわたし。 大海原に漂う己よ。 ああ動物たる自分よ。 (笑) アルコール入ればさらに欲にまみれ、 そんな動物の姿を俯瞰で見ながら興奮の相乗効果。 この域まで来れば、 自分の腹の贅肉も相手の唾液の匂いも気にならない。 もちろんリアル旅でのセックスも非日常さらに増し増しだから、イケるねぇ。
非日常へいかにトリップするか。 自分好みの場所を選び、 自分好みのシチュエーションで、 体液まみれる世界へGO! セックスは〝旅の恥はかき捨て〟で楽しみたい。