近頃は手に取りやすいお洒落なトーイが増え、ネットや雑誌の女性向けコラムではパステルカラーの可愛いトーイや便利なアシストグッズの特集が組まれていたりなど、女性たちが敷居を感じることなく自由にトーイを楽しめるようになってきた風潮を感じています。
しかし、中には疑問を抱く見出しもちらほら。
「正しいオナニー・間違ったオナニー」「感度を上げないと彼氏に嫌われちゃうかも!?」「愛されたいなら膣トレしなきゃ!」などの不安をあおるキャッチコピーが目に付くと正直ぎょっとします。そんな脅しや負の感情をきっかけに行動しても楽しくないし、本末転倒。
怪我をしたり法に触れたりしない限り、オナニーに正しいも間違いもないと思っています。
一人ひとりの心と体が違うように、感じる場所だってプレイのスタイルだって、人の数だけ存在するはず。どうか周りのノイズに惑わされず萎縮せず、堂々と「気持ちよければそれでよし」の道を貫いてくれたらと思います。
「…じゃあどうしてバイブレッスンがあるの?」
オナニーに正解も間違いもないけど、辿るべき段階のようなものはうっすらあると思うのです。例えば、売れてるから気持ち良いからって、いきなり色んな機能が付いてるゴテゴテなバイブをポンと手渡されても、困りますよね。
自分の体のキャパが分からなくて太いトーイを買ってしまい痛い思いをした、見た目がかっこいいから複雑な形のローターを買ってみたけどいまいち使いこなせない、トーイとローションの相性が悪くてトーイを溶かしてしまった、、、
これらは私が過去に経験した失敗の一部ですが、このおかげで今の自分がいるのも事実。
トーイに対する知識や経験がなかった頃、好奇心をエンジンに、まさに暗闇の中を手探りで進むような状態でした。そんな暗闇を照らすライト、荒波を越えて船を進ませる羅針盤的な存在が必要でしたが、どこにもそんなものはなく、途方にくれていたことがありました。
暗い足元を照らすライトや、あの頃の私のようにトーイに対して諦めを抱き始めている人たちが再び推進力を取り戻すためのオールになりたいです。
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今回のバイブレッスンは前回より更にディープに自分の体を探検するためのアイテム、ストレートバイブを使いこなすコツを伝授いたします。
挿入となると高い敷居を感じるかもしれません。皆さんはバイブに対してどんな不安を抱いているでしょうか。ひとつひとつの不安も無理に蓋をせず、大切にしていてください。なぜ怖いのか、躊躇があるのか…安心して楽しむためのヒントは意外とそこに隠れていたりします。
レッスン2で紹介する2つのバイブはどちらも「サイズが小さいため挿入しても体に負担がかからない」「素材は体に無害な高級シリコン」「操作はボタンひとつで簡単」「扱いやすいシンプルな形状で性感帯が探りやすい」「防水機能つきで後片付けが楽」という特徴があります。そんなファーストバイブのエリート組が、あなたの挑戦を待ち望んでいます!
”VeDO LUV”なんとも形容しがたい不思議な形のミニバイブが”VeDO”より登場しました。
乾電池式(単四電池1本!)なので充電を待たずにすぐ遊べるのが嬉しい。サイズは最も小さな部類で、挿入部分は10センチにも満たないため、トーイを中に入れることに対して不安を持つ方や男性経験のない方への入門としてもぴったりです。軽くて嵩張らないため、持ち運びに便利なのも魅力的。
この特徴的な吸盤部分はクリトリスを覆うもよし、膣内のGスポットなどの快感ポイントにあてがうもよし…だそうですが、いざ使ってみてびっくり。驚いたというか、良い意味で裏切られたというか…その計算されつくしたデザインに感嘆の一言。
どんなふうに動かしても気持ち良いのです…バイブレーションも電池1本とは思えないほどしっかり振動するし、パターンは10段階もあるという充実っぷり。楕円形の吸盤部分でクリトリスを覆うように使ったり、ひだの部分をやさしく円を描くように動かしたときのまろやかな刺激がたまりません。反対側についている小さなぽっち部分を使うと今度は鮮明な刺激が楽しめるので、気分によって異なる使い方ができてしまうのです。ぽっち部分はこんな風に軽く外側を滑らせてみると焦らされてるようでゾクゾクするような快感が味わえます…!
この時点で既に素晴らしいのですが、挿入時の気持ちよさはそれをはるかに凌駕しています。
深くまで入れても奥まで強く突き当たらないので、力加減がわからなくても安心してダイナミックなストロークが堪能できます。異物感が減ってきたらぜひ、前後に動かす手のスピードを徐々に速めてみてください。気持ちよさで頭がぽわ~っとしてきたら大成功!徐々に広がる快感が腰の力をすっかり奪うでしょう。この、全身が大きくて柔らかな幸せで満たされるような、包み込まれるような気持ちよさは、クリトリスの刺激だけでは決して手に入らない特別な感覚。
実は既にこの時点で体はオーガズムの入り口まで来ています。
最初にLUVの硬さが気になっていたのですが・・・寧ろ、そのおかげで凹凸がはっきり刺激を伝えてくれるため、逆に功を成していました。サイズも指2本分に満たない太さですが、だからこそ中で色々な方向へ自在に動かすことができるので、性感帯のサーチには最適なのです。自分だけの気持ち良い場所を、焦らずじっくり探し当ててみてください。さあいくつ見つかるでしょう?!
バイブを使うときは滑りを良くするためのローションをセットにすることをお勧めします。
”MOMENTS【ピロー】”
アメリカの大手ローションブランドID Lubricants(IDルブリカンツ)の、体に優しい水溶性ローションです。使いきりきりのピロータイプなので常に清潔で、自分の体に合うかを知るためのお試しとしても便利。
使い方は、バイブの挿入部に薄く塗り伸ばすだけ。勿論指先にとって直接性器に塗ってもOK。
膣とバイブの間に潤いのクッションを作って滑りを良くしてくれるので余計な摩擦や引っ掛かりによる体への負担が減り、気持ちよさが格段に上がりますよ。痛みに対する不安がある人にとっては救世主的な存在です。”モーメンツ”の美点は潤いがとても自然でクセがなく、まるで自分の中からあふれ出してきた愛液のような感覚で体にしっとり馴染むところ。
バイブに体が慣れるまでは痛みや違和感に対して敏感になりやすいため、あらかじめローションを用意しておくと安心ですし、今後のトーイライフをより長く快適に楽しむためにも大活躍します。
個人的な好みですが、私はこの程よいこってり感と糸引きが凄く気に入っています。プレイのときは心の性感帯を刺激するため五感を使うことを大切にしているのですが、特に耳が敏感なので、それを満たすために、例えばローションをたっっぷり使って、トーイをストロークさせるたびになるべくエロティックな粘膜音が響くよう工夫しています。このセンシュアルな音があるのとないのとではオーガズムへの距離が全然違います。他にも、好きな声優さんや俳優さんの声を聞いたり…聴覚への刺激だけをとってもアプローチは様々。
人によってそれが視覚だったり、思い出の香りだったり、肌への感触だったり、味だったり、様々ですが、そのように五感で受け取る刺激のタイプと、そのうちのどれが自分の心と体を最も深く濡らすのか、把握しておくことは快感の奥行きを深めるためにも大切です…!
セルフプレジャーは心(快感を受け入れるための心の準備やそれを生み出すための想像力)・技(手やトーイを適切に使うこと)・体(快感の受容体を研ぎ澄ますこと)が織り成す総合的な悦びと言えるでしょう。
・・・話が大きくなってしまいました!本日2本目のストレートバイブの紹介に移りましょう。
ドイツで生まれた高級トーイブランドの重鎮、FunFactoryより、”SmartVibes ヨーピー”です!
名前も見た目も可愛らしい癒し系、こちらも乾電池式(単三電池2本)となっております。
リッチなトーイを多数展開しているFunFactoryの中では珍しいプチプラトーイですが、だからといって妥協は見当たらず、いつもと変わらぬ完璧仕様。振動のパターンが1種類しかない代わりに操作性が非常に洗練されています。
ヨーピー最大の特徴は、先っぽがゆるくカーブした形状…この曲線が、ただ挿入するだけでちょうど良いところへ当たるようにデザインされているのです!(挿入するときはぜひこの先端の盛り上がっている部分をおへそ側にしてみてください。わかりやすい性感帯はおへそ側に密集しています。)
手触りはもっちりしっとり柔らかく、肌馴染み抜群。大きさもLUVより太く長く、膣の一番深いところまで届くため、好奇心旺盛な冒険家の貴女にはぜひ手にとっていただきたい一品であります。
先端は特に柔らかいため、膣の最深部…子宮口付近に当たっても安心。ここは強く押すと鈍痛がするのですが、優しく小刻みに圧を掛けると極上の快感スポットに化けます。私が生まれて初めて中でオーガズムに達したのも、この子宮口周辺部分(Pスポット/ポルチオ性感帯…などと呼ばれています)の刺激によるものでした。当時は性感帯への知識も男性経験もなく、ただ本能に導かれるまま無我夢中でそこを刺激し続けていたのを覚えています。
入り口付近にあるGスポットと比べて最奥は精神的なハードルが高いかもしれませんが、ここに素晴らしいお宝が沢山眠っていることだけ頭の片隅にしまっておいてくださいね。今は実践が難しくても、いつか好奇心に誘われてそんなお宝をごっそり掘り当てる日が来るでしょう・・・!お楽しみに。
膣内に存在する性感帯はクリトリスと違い、愛撫の回数を重ねるごとにゆっ…くりと感度が磨かれる傾向があります。
スティック型のミニバイブは膣内の刺激に特化しています。つまり、基本的にクリトリスに対するアプローチがないため、あまり開発を進めていない段階では物足りなさを感じることがあるかもしれません。
そんなときに心強いサポートをしてくれるのが、”ターンオン アイス”です。
黒くて小さな容器に、まばゆいピンクのラベル、メタリックに輝く銀のサークル…その佇まいはまるで媚薬のよう…!このオイルを一滴だけ指にとって、クリトリスになじませて少し待つと・・・・・燃えるような清涼感(矛盾しているようだけど、本当にそうなのです!)が持続的な刺激を与え続けてくれます。
前回紹介した”クリトラルジェル”や”Oジェル”と違い、神経を鋭く研ぎ澄ますだけでなく、オイルそのものがセンシュアルな刺激をもたらします・・・ふわっと香る甘い香りも素敵。
もし余裕のあるときは、バイブを挿入しながら指やローターで優しくクリトリスを愛撫してみれば、新しい快感の扉が開かれるかもしれません。(こちらは潤滑剤ではないので、ローションは別に用意することを推奨いたします。)
「ローター」に「ストレートバイブ」・・・一気に世界が広がった感じがしますね。
初心者向けトーイの美点は、中級者上級者も楽しめるというところだと思います。上級者向けのトーイは初心者には使いこなせませんが、このようなシンプルなトーイは使う人を選びません。ストレートバイブは単純なゆえに幅広い遊び方ができるため、非常に奥の深い魅力があります。
他にも色々なタイプのトーイが存在しますが、この世に存在するあらゆるトーイはどれもこの2つの操作の応用という形になってきます。
これがうまく使えるようになるということは、それだけ自分の体をよく理解しているということでもあり、それがセルフプレジャーの楽しみをうんと深めることに繋がります。
このトーイたちが、あなたの心と体の謎を解き明かし 未知の世界へと誘う鍵となりますように・・・!