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スクールフェミ「 ヘルスサポート株式会社と健康診断結果の個人情報」

深井恵2025.02.21

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昨年受診した健康診断の結果、「特定保健指導」を受けることになってしまった。確かにここ1、2年、代謝は落ちたが食欲は落ちない状態を自覚してはいた。特に冬場は、寒さに備えて「皮膚の下に着込む」ような体感だった。

特定保健指導の対象となったのは、内臓脂肪蓄積に着目した判定と、血糖と血圧のリスクがあったためだ。血糖は、空腹時血糖が100ml/dl以上、または、 HbAlc5.6%以上。血圧は、収縮期血圧130mmHg以上または、拡張期85mmHg以上が該当する。空腹時血糖と血圧が、若干基準値を超えていた。

特定保健指導とは、特定保健診断の結果、このままだと生活習慣病を発症するおそれがある人に自らの健康状態を把握させ、健康相談員(保健師・看護師・管理栄養士)が専門的な立場から助言や相談を行い、総合的な健康づくりに役立てるものだという。

特定保健指導は、対象者の健康診断の結果に応じて、「動機付け支援」と「積極的支援」の二通りの支援に分けられる。「動機付け支援」は、初回の面談で行動目標を立て、実践した後、3ヶ月以上経過後に評価を行うというもので、「積極的支援」は、初回の面談で行動目標を立て、3ヶ月以上の継続的な支援(電話等)を受けながら実践した後、3ヶ月以上経過後に評価を行うと言うものだ。

血糖と血圧、2つのリスクがあったため、「積極的支援レベル」に該当した。特定保健指導を実施する機関から電話がかかってきて、初回面談の日程を調整するのが第一段階だった。その実施機関というのが、某保険会社の名を冠した、ヘルスサポート株式会社だった。

自分が利用してもいない保険会社の名を冠したヘルスサポート株式会社に、名前、生年月日、職場、健康診断結果等の個人情報が伝わっていた。自分の個人情報をそんなヘルスサポート株式会社に教えて良いなどと許可した覚えは無い。しかし、共済組合が「委託」しているということで、個人情報が先方に伝わっていたのだ。共済組合からの書類には、「個人情報の取り扱い」について次のような記載があった。

原則として、組合員の方の定期健康診断等の健診結果は、特定保健診断の結果として、当該支部に提供されることになります。個人情報の取り扱いにつきましては、プライバシー保護に留意して参りますので、ご安心ください。委託機関はプライバシーマークの認証を取得し、個人情報について適切な管理をしています。以上。

健康診断を受診する前の問診の段階で、健康診断結果によっては健康支援を希望するか否かと尋ねられた際に、「はい」に丸をつけた記憶はあるが、ヘルスサポート株式会社に個人情報を提供して良いと許可した自覚はなかった。

実施方法は、①「所属所訪問型保健指導」または「遠隔面談型特定保健指導」を利用する。②指定医療機関を利用する。① ② のいずれかを選択するのだ。指定医療機関が一番信頼できそうだが、仕事の時間を割いて医療機関に何度も赴くのは負担が大きいと感じた。こちらから赴かずに職場に来てもらって対面で話したほうがいいと判断したのと、遠隔面談型を選んで携帯電話の番号まで先方には提供したくないのとで、「所属所訪問型保健指導」を選ぶことにした。

初回面談の日程調整のための電話が、ヘルスサポート株式会社からかかってきた。相手の話ぶりからは、遠隔面談を勧めたいニュアンスが伝わってきたが、「直接面談でお願いします」と遠隔面談をきっぱり断った。直接面談による「所属所訪問型保健指導」の日程調整をし、こちらが指定した日にサポート株式会社の職員が来た。

初回面談で本題に入る前に、委託の経緯や個人情報の扱いについて尋ねた。しかし、来た職員は管理栄養士で、「共済組合から委託されている」としか知らなかった。個人情報がそちらの株式会社からいつ抹消されるのか尋ねると、支援が終了した段階で抹消されるとのことだった。

特定保健指導では毎月1回、メールか電話で経過確認をするという。時間を気にせずにいつでも利用できるから便利だと、メールを勧められた。メールを選ぶと、まず個人のスマートフォンに保健指導のアプリをインストールする必要がある。アプリのインストールが終わったら、IDとパスワードを設定し「保健指導マイページ」を作る。そのマイページに自ら行動記録を入力していく仕組みだ。行動記録だけでなく、体重、腹囲、体脂肪、血圧、歩数などの記録も可能という。

自ら詳細な個人情報をただで入力提供してやるつもりはないので、「電話での経過確認」を選んだ。すると、人事異動で職場が変わるかもしれないから、自宅の電話番号か携帯電話の番号教えてくれと言ってきた。人事異動で職場が変わると、前の職場に電話しても「個人情報だから」と移動後の職場を教えてもらいともらえないというのだ。

異動先が決まったら、こちらからそちらに連絡できないのか尋ねると、連絡は可能とのこと。その連絡先の電話番号教えてもらい、異動したらこちらから連絡すると約束して、携帯電話の番号は教えなかった。

更に話が進むと、支援の書類を郵送するから自宅の住所を教えてほしいと言われた。職場じゃダメなのかと聞くと、やはり異動したら届かなくなるおそれがあると言う。自宅なら郵便局に転送手続きができるが、職場は転送が難しいので、やむを得ず自宅住所を教えることになった。名前、住所、生年月日、職場、身長、体重、腹囲、血糖値、血圧等ヘルスサポート株式会社に把握された状態だ。携帯電話の番号とメールアドレスだけは何とか死守したが、特定保健指導によって個人情報が丸裸にされた気分だ。

特定保健指導によって集められた情報は、関連保険会社が利用することはないのだろうか。濡れ手で粟の状態で集まった個人情報、しかも健康診断の結果を保険会社が全く利用しないとは考えづらいが、その内情を調べる術は持ち合わせていない。インターネットで検索すると、ヘルスサポート株式会社のHPと偽って、個人情報を入力させる偽HPがあると注意喚起が出されていた(アプリ入力を選ばなくてよかった)。

今回はとりあえず、個人情報と引き換えの保健指導に付き合って、あわよくば減量を成功させることにしよう。「委託」の件は、労働組合に話をしてみてもいいかもしれない。もし保健指導後に某保険会社から接触してきたら、共済組合に一報入れる覚悟だ。

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