自由「民主」党
安倍が自民党総裁選三選の見込みとか。内閣がいくつ壊れてもおかしくないというのに、在職履歴憲政史上最長となるとか(産経ニュース2017年12月25日22時45分。)ありえない、と、先月も嘆いた。
それにしても、総裁選も選挙。自由「民主」党ならば、その選挙を「民主的なもの」すなわち、党員が候補者の政策の違いを正しく知り、考え、どの候補者を総裁として投票し、自分の意思を反映できるようにするというプロセスを大切にしてほしい。
ところが、安倍総理はロシア訪問まで予定している。討論の機会はないのか。前から大災害が続いているが、9月7日には北海道地震。冒頭の3日間は選挙活動を自粛。災害対応が重要ということは誰もが一致する。しかし、論戦も重要。総裁選の告示の延期を申し入れた石破氏の判断は正当だ。ところが、安倍首相陣営は、「災害対応をしている姿を見せられる」と、被災者の痛みに共感するどころか、「政治ショー」にできると喜んでいるかのような忌むべき声まであるとか。二階幹事長など、公然と「日本で集会を三つほどやるよりも、海外に行って報道して頂いたほうがうんと良い。もう立候補した瞬間に(勝敗は)決まってんだ」と語っている。論戦などいらない。それより首相であることを存分に利用した「外交」ショー(成果はあってもなくても)。このどこが自由「民主」党なのだ。
ツッコミを入れるべし
立候補した瞬間に決まっている。政策なんか関係なくわれもわれもと支持を表明。それでいいのか、恥ずかしくないのか、政治家として。
と、罵っていても仕方がない。
労働経済ジャーナリストの小林美希氏が石破氏に保育園問題を直撃している。これは、『ルポ保育格差』を著しディープに待機児童問題や保育士の処遇改善を追いかけてきたインタビュアーならではのツッコミ力がある。これに対して、石破氏は待遇改善や配置基準の引き上げなど応じてはいるが、抽象的ではある。しかし、一応の言質を引き出すことが重要だ。
9月4日には、LGBT自治体議員連盟の世話人らが、安倍晋三総裁に充てた公開質問状を出した(バズフィード 2018年9月5日17時19分 伊吹早織記者)。月刊誌『新潮45』2018年8月号(新潮社)に掲載された杉田水脈議員の寄稿「『LGBT』支援の度が過ぎる」は、「(LGBTは)子供をつくらない、つまり『生産性』がない」、「LGBTだからと言って、実際そんなに差別されているのか」「これ(同性愛)でいいんだ、と不幸な人を増やす」などとする衝撃的な内容で、当然のことながら大きな抗議の声が上がった。
自民党は党のホームページに、「個人的な意見とは言え、問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現があることも事実であり、本人には今後、十分に注意するよう指導した」という見解を公表するのみで、杉田議員に何ら処分をしたわけではないし、杉田議員もツイッターを控えてはいるが謝罪はしていない。
今回の公開質問状では「杉田議員に寄稿を撤回、謝罪するよう党として指導すべきではないか」「多くの人の人権を傷つける主張は総裁として明確に否定すべきではないか」など具体的に質問して回答を求めているという。石破氏が、LGBTに関する法律の制定について「差別や権利侵害をなくすために実効性のある法律であってほしい」と発言したことにも触れ(バズフィード 2018年8月28日7時9分 古田大輔記者)、安倍総裁の考えを問いただすものという。
ならば、選択的夫婦別姓についてもどなたかツッコミをいれてほしい。実は最近石破氏は選択的夫婦別姓に賛成の立場にチェンジしている。そのあたりをツッコむ記者がいないので、中島岳志氏は2010年の情報をもとに、石破氏が選択的夫婦別姓に反対しているのはマイナスポイントと断じている(webロン座「中島岳志の「自民党を読む」(1)」 )。
やはり討論会等の機会が少ないと、情報が乏しく、意思決定が正しくできないおそれがあることは、明らかともいえよう。
せめて、民主を標榜するなら、「立候補した瞬間に決まっている」なんてことはなく、それぞれ考えることが大切と思ってほしい、党員の方々…。よろしくお願いします!