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幸せな毒娘 Vol.49 男性ならではの特権〜臭くてもいい権利

JayooByul2024.09.24

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先月「夏場は臭い男が多いから、男も最低限の衛生管理はしてほしい」と言う当たり前のことを書いたとして事務所から契約を解除させられたアナウンサー川口ゆりさんの件で波紋が広がりました。その理由は、彼女の発言が男性への差別発言であったからということでした。そこで私の中で一つの疑問が生まれました。

私は長年老人ホームで働いています。普通「お年寄りは体臭がする人が多い」と知られていますが、老人ホームで働いている内にそれはただの偏見だった事に気付きました。体系や食習慣、年齢、性別、健康状態に関わらず、介護士たちによってちゃんとした衛生の面倒を見てもらっているお年寄りは誰一人周りの人に不快感を与えるような体臭を持っていません。眉間に皺が寄るほど「臭い」と思われる人は大体シャワーを何日も拒んでちゃんと衛生管理をしていなかったりする人ばっかりです。そしてそういう自分への衛生管理がしっかりとできてない人の多くは皆もご存じの通り「男性」です。

もう少し分かりやすく実例を挙げてみましょう。グーグルで検索するだけで「男性たちの不衛生な生活問題」は数えきれないほど出てきます。「旦那のうんちの付いた下着」問題で苦しんでいるのは日韓の東アジアを超え、英語圏でも「スキッドマーク」という言葉があるくらい世界の既婚女性の悩みとして知られていますし、男性トイレの石鹸やトイレットペーパーが減らない問題だって多くのトイレ清掃員から証言されています。お尻が拭けない(拭く必要を感じない)男性が多いのも間違いのない事実です。 単刀直入に言うと汚い人の殆どは男性で間違いありません。

しかしそれは男性が持っている権力によって今まで問題視されていなかっただけで—女性たちが問題だと指摘できなかっただけで—誰もが分かっていることです。中古の車や家電・家具を買うとしたら女性が使っていたモノだと安心して買えるし、売り手もそれがプラスになると分かっているため世界の多くの中古の取引サイトには「女性が使いました」と言う言葉を添えることが多々あります。お部屋を探すにしても女性だと大家さんから優遇されることが多いのはもちろん、不動産の業者でさえ男性だけが使う場合は優先順位から後回しになると聞いたことがあります。そう、男性の「不衛生問題」は誰もが知っていたのです。

しかし「男性だけの問題」は決して口にしてはいけない。それは例え男性だけの問題だとしても「人への差別」として見做されがちですし、ゆくゆくは「疎外された人への差別」として取られ社会的に多くの非難を浴びることになります。それは、男は今まで周りに配慮しなくてもいい存在だったから。男の権力とも言えるでしょう。だから今更自分たちの機嫌を損なう事実を言われることが嫌で嫌で仕方がないのです。

夏の間臭いのは大体が男なのにも関わらず「女性だって臭い人はいる」、「仕事で必死に働いてるのかも知れないのにそんな人へ失礼な発言である」、「珍しい病気で体臭が治らない人だっているのに!」とあらゆる非常に低い確率のケースを持ち込んで男を庇う人たちが出てくるのが良い例だと言えるでしょう。

それは臭くてもいい権利だけではありません。似たようなことでは男性の肥満問題があります。女性と違って脂肪が付きにくい男性ホルモンを持ちながらも女性より肥満の確率の高いアジアン男性問題。生理やホルモンの影響で肉の付きやすい女性たちだけが社会の美的基準に合わせ拒食症になったり、過度なダイエットで健康を壊している問題。その全てに関して女性が疑問を持とうとすると人々はすぐ肥満人への差別だのルッキズムだのと始まり、「男性の問題」という本質から的を逸らそうとします。全ての差別は宜しくないという名目でですよ?

女は生理中には魚臭くなりやすい。

フローラルで甘い匂いが漂う女の子らしいお部屋。

女性は30代後半になってからは加齢臭に気を付けなければならない。

これらの言葉は人生を生きていて誰もが一度は聞いたことがあると思います。よっぽど近づかないと分からないようなプライベートな体臭まで気にするような臭覚の繊細な人々が何故、男性の悪臭問題になると同じく真剣に受け止めないのか。「差別発言が大嫌いな人たち」は一体何故、女性へ被される全ての偏見や差別的な社会へ黙っていたのか。

人によって体臭の加減が違うのは事実です。しかし毎日しっかりシャワーを浴び、洗濯をこまめにするだけでも他人の具合を悪くするほどの悪臭は防げるということも事実です。事実を言うことが差別を招くような許されないことであるならば、それは男性と女性、どっちにも同じく適用されるべきなのではありませんか?

それなのに「汚く生活して相手に不愉快な気持ちをさせても叩かれない権利」、「太くても何も言われないでむしろたくましいと褒められる権利」を片っ方の性別だけが持っているこの状況を皆さんはどう思いますか?

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JayooByul

JayooByul(じゃゆびょる)

JayooByul (ジャヨビョル)日本のお嫁さんとオーストラリアで仲良くコアラ暮らしをしています。堂々なるDV・性犯罪生存者。気づいたらフェミニストと呼ばれていました。毒娘で幸せです。

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