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幸せな毒娘 Vol.46 ダメ男生産国② 4T:脱オタクの必要性

JayooByul2024.06.07

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BBCでバーニングサン事件を取材したドキュメンタリーが放送されました。
「バーニングサン」は過去BIGBANGのメンバーであったスンリがオープンしたクラブの名前で、スンリとジョンジュンヨンを含めた有名人たちがそこで数多くのレイプや麻薬、暴行事件を起こした上、それを警察や政界の人たちが庇っていた大きな犯罪事件でした。そこでは女性たちに麻薬を飲ませ、スポンサー(大金持ち)の男性らに「レイプ斡旋」も行われておりました。
韓国では「性売買斡旋」としてしか報道されていないのですが、実際は気を失った女性たちをお金持ちの海外の投資家の男性に渡し強姦させる代わりに投資金を貰っていたという、人間が犯したとは考えられないとても凶悪な犯罪でした。

もちろん韓国はN番ルーム事件が明らかになった後も未だに似たような事件が相次ぎ、警察の不正や怠慢が次々と知られる腐りきった国ではありますが、私はそんな社会のまた違う一面に注目したいと思いました。
それは韓国の女性たちの異常な「ダメ男消費文化」です。
そう、韓国ではスンリのように非人道的な犯罪を犯した男でさえ「ファンとしての愛情」を捨てることができず、消費し続ける女性がとても多いのです。

もちろんそれは韓国の女性だけの話ではありません。
どの国にも「悪い男」に憧れる愚かな女性たちは存在します。しかし韓国ではそういった女性がとても多くの割合を占めています。それはK-ドラマや漫画などで描かれている暴力的な男性への美化―「悪男とのロマンス」に長年グルーミングされ洗脳され続けてきたせいでしょうか? 
韓国のネット掲示板やツイッター等のSNSでは男性アイドルによる被害証言が相次いでいます。例えば、大きな金額を払ってコンサートやビデオチャット、握手会等に行ったのに暴言を吐かれたとか、入場の際過剰な荷物検査をされ下着の中まで探されたとか。
そんな不当な待遇をされながらも、女性たちは「このアイドルがないと生きていけない」と消費し続けます。当事者でない場合は「私の”彼”がそんな事をしたはずがない」と動画などの明らかな証拠が存在するにも関わらず、それは空耳だとか、きっと仕方ない事情があったのに違いないだとか必死に庇いはじめます。
もし第三者がその異様な状況を見て何か間違っていると口でも挟もうとすると、
「私達(女性のファン)は被害を受けている側なのに、フェミニズムを名乗りながら女性の私たちを貶すのか!」と逆切れされ、大きなサイバーブリング(※ネットいじめ)が始まります。
だからって女性アイドルも男性アイドルのように同じ権力を持っているかというとそれは真逆。とても些細なことでもオフィシャルな謝罪文を書かされるのが現状です。

そういう異常な社会に立ち向かおうとして改めて出たのが4Tです。韓国の4B(非婚・非出産・非恋愛・非セックス)運動は既に多くの方がご存じだと思われますが、最近韓国のラディカルフェミニストの中では4Tというモノがより重要視されています。
4Tとは脱コルセット・脱宗教・脱オタクを指す言葉で、女性を抑圧する全ての価値観や消費文化から離脱しようとする運動です。そこで脱オタクが何故加わったかというと、無論平均的に男性より低い給料を貰う女性たちは無駄遣いをすることに警戒すべきという意味もありますが、何より男性のアイドルや俳優などへの消費をやめようという意味が強いです。

それは恋愛スキャンダルが大きなマイナスに働く―アイドルに模擬恋愛感情を抱く人たちが多い韓国という社会で、男性アイドルへの消費は恋愛や結婚への価値観とも密接に繋がっているからではないでしょうか。
確かに女性アイドルが好きな男性ファンの行動と男性アイドルが好きな女性ファンの行動には大きな差が存在します。ファンの機嫌を損ねないよう常に気をつけ頭を下げる女性アイドルと違い、男性の場合はむしろファンたちがアイドルの機嫌を取るために必死になる側。現実でよく聞く韓国の恋人関係ともあまり変わりません。

被害者の側になる女性を責めてはいけない。その意見も気持ちは十分わかるのですが、こういった文化ができてしまったのは本当に男性だけのせいだと言えるのでしょうか? 消費がなければ供給は成り立たない。しかし女性たちがそういった男性を消費し続ける。そして市場はいつもと同じく、女性を抑圧し虐待する方向に回っていく。そこに女性たちの責任は一切存在しないと言えるのでしょうか。

私は脱アイドルはこの女性嫌悪的な社会システムを打破するために必須だと思っています。
なので、何もせず全てを傍観し続け、先頭に立っているフェミニストたちにだけ全てを任せてしまう女性たちをどう受け止めればいいのか、未だにわかりません。
自分の行動を正当化する時にだけフェミニズム(女性を攻撃するな!)を盾にする女性たちは、どちらかといえば男性側に立ち女性を抑圧するのに力を貸している加害者なのではないでしょうか。女性たちは一体いつになれば自分たちの人権のために力を合わせて声を揃える事が出来るのでしょうか。そんな絶望の中、私は今活動しているフェミニストの女性たちが疲れ果てないことだけを祈っています。

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JayooByul

JayooByul(じゃゆびょる)

JayooByul (ジャヨビョル)日本のお嫁さんとオーストラリアで仲良くコアラ暮らしをしています。堂々なるDV・性犯罪生存者。気づいたらフェミニストと呼ばれていました。毒娘で幸せです。

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