私は「それでも親なんだから」と言う言葉が大嫌いです。お母さんもお母さんになったのが初めてだからだとか、親も初心者な時期があるんだからとか、それ以外にも糖尿や甲状腺でイライラしやすいからだとか、DVを正当化するために使われている言い訳は沢山あります(パターンは大体にてますが)。面白いですよね。
こういった悩みを持ち相談に来られた方々の中には幼いと10代から始め、40代、50代もいました。主に女性です。10代のうちには何か可笑しいな、違うなと思いつつも、私の頭が可笑しいのかな？本当は私が悪い娘なのかな？と自分を責めがちで、何がどっからどう間違えているのか説明が付きません。そして20代、30代になるにつれて徐々に妥協しはじめ、「自分のこと」を諦めてしまいます。
そういった「子供たち」は親との関係改善のためあらゆることは全て試してきたと思います。泣きながらお願いしてみたり、理屈で説得してみたり、怒鳴ってみたり、怒ってみたり、一瞬縁を切りまた戻ってみたりと。親の事をもっと理解しもっと良い子供になるために多くの努力を果たしてきたと思います。それでも何も変わるものはなかったでしょう。
でも「自分」から少し離れて考えてみてください。皆さんも１つ、２つ年を取ることによってより多くの事を理解するようになり、その時はこうだったんだ…と新しく分かって来る事も多いのではないでしょうか？なのに親が皆さんの事を全く理解しようともせず、変りもしないと言うことは、ただそれまでの人間だからなんです。親との関係も結局他人との人間関係。冷たく聞こえるかも知れませんが、親に取っての皆さんはそういった「面倒な努力」を注ぐほどの存在でないと言う事です。ＤＶをする毒親たちは本人たちの事をより愛していて、本人たちの欲がより大事な人たちなんです。
そもそも「より大人である」親が子供を理解する立場に回るのが当たり前だと思いませんか？ 親がまだ未熟であろう(もしくは自分よりは遥かに人生の経験が浅いであろう)子供にだけ理解を求めるのは可笑しな話です。私たちが生まれた時の親は既に成人してますよね？なのに親より約20年以上幼いのにも関わらずどうにか親の事を理解しようと頑張っているじゃないですか。そういった貴方には大体この二択があると思うんです。私は良い親になる自信がないから絶対子供は産まない、もしくは私は絶対あんな親にならないで本当に良い親になって私の子供をより大事にして愛してあげたい。そうやって自分の経験から学び、より他人への配慮をするような存在に育ったのではありませんか？
それなのに毒親たちは貴方とあまり変わらないその年に、自分たちよりも20個は離れている何も知らない子供に理解を押し付け感情のゴミ箱のような扱いをして来たわけですよ。どんな親でもそれは人間ですから、育児のストレスでイラっとし、つい八つ当たりをしてしまう事はあるかも知れませんね。しかしそれが長期的に続いてきたと言う事は、そして今この瞬間までも関係の改善のために協力してくれないと言うことは、正直、貴方たちを「愛していないから」。それに尽きます。
毒親たちは適切な養育方法が分かってなかったのではなく、分かろうとしなかっただけです。子育てが初めてだからなのではなく、本人たちも心のどっかで自分たちの否に気付いています。だから子供たちが問題の本質について語ろうとすると、ずっとあなたたちのせいにしたり、論点をずらしながら会話を避けたり、怒ったりするのです。その話題が自分に都合が悪いからなるべく触れたくないんです。
自分たちがやっている行為がＤＶだったと言う自覚が本当になかったのであれば、それが虐待だと言う指摘をされると先ずショックを受けるはずです。自分がやってきた事が本当に「愛」だと信じていたのであれば、そして子供の事を本当に愛していたとすれば、愛する存在が自分にされたことが虐待だったと今まで苦しんできたと泣きながら話してくるのに軽く流せるはずがありません。当たり前じゃないですか。皆さんも本当に愛する人がいれば、その愛する人が目の前でボロボロに傷ついているのにほっておけると思いますか？
愛する人が自分のせいで苦しんでいる姿を見ることほど辛いことはありません。なのに中々縁が切れない家族と言う存在が―例え愛する気持ちがなかったとしても数十年を共にしてきた人(仲間)としての情があるのであれば、私をそんなに荒く扱ってはいけないのではないでしょうか？慣れている存在だからこそ雑になりがちだと思うのかも知れませんが、そんな人は家族どころか友達としても傍に置いちゃいけないと思います。
愛しているのなら互いにもっと理解し、配慮し、合わない所は妥協し、間違ってる所は直すための努力をするべきです。愛はそういうものですから。一方的な配慮や理解を押し付けるのは愛ではありません。恋人関係だけではありません。家族も友達も全ての人間関係に置いてそうだと思います。一方通行な愛はいつか疲れ果ててしまいますし、その関係が深ければ深い程、長ければ長い程、心を蝕んでしまいます。
血縁だからってそれが何ですか？血縁だからって、親だからって貴方を悲しませて壊す権利はありません。産んでくれた恩なんて、ちゃんとした養育も出来ず産むだけの行為は無責任な傍観行為であり、恩ではありません。
それではこれからどうするべきか。皆さんの自尊感情がもっと傷つく前に、自分で自分の事をより愛してあげる事です。先ずはナルシシストな毒親と徹底的に距離を置いてください。そうしないと前に進むことは出来ません。今すぐ縁を切ることが出来ないのであれば、家族は私の人(身内)ではないと割り切り、一つずつ心から外に出していくことです。それだけでも少しは気が楽になると思います。
皆さんは今まで良く頑張りました。良く耐えてきました。だからこれからはもっと幸せになる価値があります。だから直ちに周りの些細な喜びを探しながら幸せになりましょう。自分を不幸にさせる原因から離れてしまえば、良い天気も幸せに変われるし、雨の日の雨音も幸せに変えられます。だから、幸せになりましょう。これからの人生は自分たちの幸せを誰にも邪魔されず、自分たちの手で作っていきましょう。そうやって今日も明日も生き残りましょう。
