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幸せな毒娘 Vol.40 Hot Girls Wanted―ポルノと言う名の使い捨て女奴隷ビジネス②

JayooByul2023.10.27

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この性産業で(悪い意味で)最も感銘を受けたところは彼らが築いた完璧な搾取カステルが見られたところでした。女性たちが宣材写真を撮る際、カメラマンは彼女たちを物凄い褒めちぎります。「あなたはとてもゴージャスだ」「セクシーで完璧なボディーしてる」とグルーマーからの素敵なガスライティングを浴びているうちに彼女たちは「ポルノ女優は思ったよりも素晴らしい仕事で、自分が尊重される」と言うバックラッシュに染まってしまいます。まさに*私が地下アイドルの時に経験したのと同じ手口です。(*幸せな毒娘 Vol.23 地下アイドル生存期②)

また残酷な撮影が終わった後は彼女たちを心配する振りをし、精神的に弱っている彼女たちの心理を攻略します。その過程はストックホルム症候群にとても似ていて、「仕事」と名付けられた立派なDVだと私は思います。もしも女性がマシな男に出会い、彼氏が出来たから仕事を辞めると宣言すると、管理人は「彼氏との関係が永遠に続くと思うか?お前にこれから他にどんな仕事が出来るんだ」と不安を刻み込ませます。それは決して女性のための心配な訳がなく、女性を搾取せずには生きていけない無能な本人の将来への心配です。

こう言った「自分の否」を相手に擦り付けてまさに相手がそうであるかのような「転嫁」をする会話パターンは、自己愛性パーソナリティ障害者(ナルシシスト)に良く見えるパターンらしく、解釈するとこうです。

「この仕事は永遠に出来ない寿命3か月の仕事だ。しかし俺はお前がいないと何も出来ないクズだからお前に逃げられると困る」

Hot Girls Wantedにはこのクズ男カステルに完璧に染まり他の女性のガスライティングに力を加えている女性もいました。名門大学を卒業したというその女性もバックラッシュの犠牲者といえばそれまでです。ですが「ポルノは楽しい仕事!女性も自由になる権利がある」のだと搾取されることが女性の選択であり得るかのようなことを広げている以上、加害に積極的に加担しているとも否定できません。「こんなお嬢も結局男には屈辱される存在」と言う負け組の男たちのフェティシズムを満たすために利用されることが女性の人権向上に繋がるはずがありません。彼女の行動はまたほかの女性たちの被害を生み出し、また男たちには「やはり女だって虐待されることが好きじゃん」と言う誤ったファンタジーを与えるだけです。

そこで管理人が女性たちを同じシェアハウスに住ませている事も虐待者としての賢い手口だと思いました。社会的な弱い立場にいる女性たちを一か所に集めておくことで管理がしやすいし、家賃も節約になるというメリットもあるかもですが、それよりも私が注目したところは自然と流れる女性たちの日常会話でした。その業界に比較的に長く就いている女性は、新人の若い女性たちにこう言います。

「全ての仕事は大変で辛いものよ。私たちはまだプライベートな時間が多いからもっと人生を楽しめるじゃない」

生き残るために自分の中で妥協して見つけた答えを他の女性たちに言い聞かせる事で、生存者たちは自然と洗脳しあっていたのです。彼女たちはまた彼女たちがやっていることは「演技」なため売春とは違うとも言っていました。そうやって他の生存者との人生を比べることで満足を得ることが彼女らが選んだ生き残る方法かも知れません。

しかし彼女たちが使っている「演技」と言う言葉はとても危ない言葉です。彼女らは仕事をしながら「現実でなら絶対にやらないような男と関係も持っている」、「レイプ被害者の気持ちが分かるような撮影だった」と発言していました。普通のセックスをする作品だと騙したあと可虐的な撮影が始まってしまうケースも少なくありません。撮影中に身体的、精神的、言語的虐待が実際に行われているのにも関わらず、彼女たちは全ては仕事であって演技だから、演出された偽物だから大丈夫だと言い聞かせています。

ポルノ業界と言う言葉一つで、女性への性犯罪がごまかされ美化されているのにも関わらず、彼女たちは通報すらできません。それは「それが仕事だから」です。普通の演技をする役者だとしても、暴力的な作品に出演することになったりし、一つの役に没頭するとうつ病を経験することがあると言います。なのに実際の暴力に露出されている彼女たちが「仕事だから大丈夫」だと割り切ることは現実的に可能なのでしょうか?

もしかしたらただ演技であり、仕事であると言う言葉が彼女たちの精神の崩壊を防ぐ唯一な手段になっているのかも知れません。何か間違っていることを認めた瞬間、自分が置かれた現実とも直面しなければならないので恐怖を感じているかも知れません。だから彼女たちは「演技をしている時は自分ではない誰かだと思うようにしている」のです。

それがうまくいけば自分を真っ赤な他人のように他者化出来るようになります。虐待の苦しみから逃げるためにひたすら妥協し自我を分けてしまう事を精神病理学的には離人症と言いPTSDの一環として扱っていますが、多くの性産業では「プロの精神」と呼ばれています。

そしてその「プロの精神」が足りない女性は「そこまでしてお金が欲しい訳ではなかった」と仕事をすぐやめてしまったり、麻薬に走ったり、より酷いPTSDや精神病に苦しむようになっています。明らかに「仕事」のせいで病気になってしまった女性たちに労災はおりていますか?

彼女たちは何か可笑しいなと薄々と気づいていながらも、いったい何から逃げたいのかも分からなくなってしまっていると言っています。「何か可笑しいと思ったらとにかくそこから離れたほうが良い」それを学ぶのは10代のうちはまだ早すぎます。だから未成年者へのグルーミングの罪がより重いのではないでしょうか。しかし性産業はそれを巧妙に利用していながらも、性産業に努める女性たちは「自発的に仕事をしている」と言い張ります。

結局性産業で全てのリスクを背負うのは女性なのに、それで楽にお金を稼ぐのは男性である仕組み、何か可笑しいと思ったことはありませんか?性産業は本当に、女性の自由-女性人権向上へ繋がりますか?真実を伝えないまま嘘で塗りつぶされた情報だけを与え仕事に就かせる事は果たして自発的な労働と言えるのでしょうか?世間はそれを普通「詐欺」というのではないでしょうか?

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JayooByul

JayooByul(じゃゆびょる)

JayooByul (ジャヨビョル)日本のお嫁さんとオーストラリアで仲良くコアラ暮らしをしています。堂々なるDV・性犯罪生存者。気づいたらフェミニストと呼ばれていました。毒娘で幸せです。

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