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安保法案成立させられるのか?! そして何が何でも女性にさっさと妊娠させたがる現政権

深井恵2015.09.10

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連日、若者も含めて全国各地で「安保法案」成立反対の集会やデモ行進などが行われている。私も先日、国会前に座り込みに行った。あいにくの小雨模様の中、全国各地から参加した教職員仲間たちと、東京の友だち(教職員ではない)を一人連れて、約2時間国会前に座っていた。座りながら、全国各地で行っている安保法案成立反対の抗議行動が報告されるのを聴いていた。

「署名活動を始めた当初は街行く人も冷たい態度だったのが、だんだんと賛同してくれる人が増えてきて、『署名させてください』『お互いがんばりましょう』などと声をかけてくれた」「動員ではなく自主参加にして始めた活動が、脈々と今も続いている」「教職員だけでなく、他の職種の方や若者も参加が増えていった」「クラスの子どもたちに『国会前に座り込みに行ってくるからね』と告げて、いまこの場に来ている。地元に戻ったら子どもたちに伝えたい」「戦争法案に反対するのは、国会の中では少数派だが、国会の外では多数派だ。いまの国会は民意を反映していない」など、元気の出る報告が続いた。

途中、街宣車の大音量にマイクの声がかき消されそうになったが、そこは、日ごろから子どもたちを前にして大きな声を出して授業をしている教職員。声の大きさで負けるはずもなく、街宣車のアナウンスをはね飛ばしていた。座り込んで報告を聞きつつ、時々立ち上がって(エコノミークラス症候群対策も兼ねて?)シュプレヒコールを入れて、参加者全員で大きな声をあげた。

民主主義の危機、平和憲法の危機。数の力で強行採決をして、来週には成立してしまうのかもしれない戦争法案。もし、議員の数で負けて戦争法案が成立しても、国民は黙っていないだろう。闘いはこれからも続いていく。

国会前から帰ってきた翌々日、「健康な生活を送るために」という文部科学省発行の高校生用の保健の副読本が本校の一年生全員に配布された(文部科学省のHPに掲載されている)。この副読本は全国の高校で配布されるものだ。2006年から同様の副読本が配られている。今回の副読本では、
8月25日の毎日新聞の報道にもあったように、妊娠副教材で誤った数値のグラフが掲載されている。

誤った数値のグラフは、「妊娠のしやすさと年齢。女性の妊娠のしやすさの年齢による変化」というグラフ。22歳の時の妊娠のしやすさを1.0としている。年齢のメモリは15歳から始まり、22歳をピークに急激に下がっていく。毎日新聞の記事によると、「加齢による妊娠のしやすさの低下が、引用元として明記された論文よりも急激に落ち込む、誤った数値で掲載していた」という。このグラフ、「2006年作製の初版以来初めて盛り込んだ目玉のひとつ。有村治子少子化担当相の『医学的、科学的に正しい知識を学校教育で伝えたい』との強い意向を受けて、内閣府が同省と連携して内容を検討していた」らしい。

しかし、おおもとの引用論文では、「25歳過ぎまではほぼ横ばいで、30歳でもピークの0.8を超えていた」とのこと。今回配布した副読本では「22歳が妊娠しやすさのピークで、あとは急激に下がる」という間違った印象を高校生に植え付けたいとしか思えない。22歳がピークで、あとは急激に下がると受け取った女子高校生は自分の進路をどう考えるだろう。「4年制大学になんて、行かない方がいい。さっさと就職して相手を見つけて結婚しなきゃ」「大学院なんてもってのほか」などなど、早期結婚に走らせようとする魂胆見え見えだ。

奇しくも、同時期、国立大学の文系をなくすなどという暴挙も報じられ、女子が工学部関係に進学する率が上がる方向に働かせようとしているのかと思いきや、このご時世に大学進学さえ踏みとどまらせようとするなんて、ビックリ仰天。何時代の政策なのか。「・・・そりゃ、戦争して子どもがたくさん必要な時代がくるからですよ」と密かに考えているのかもしれない。

同副読本の補足説明の文章には「医学的に、女性にとって妊娠に適した時期は20代であり、30代から徐々に妊娠する力は下がり始め、一般に、40歳を過ぎると妊娠は難しくなります。一方、男性も、年齢が難くなると人妊娠に関わる精子の数や運動性が下がり始めます」と一言。急激に下がる妊娠のしやすさには、「セックスレス」は全く考慮されていないとの専門家からの指摘もあるようで、日本人男性の長時間労働、性のあり方、不安定雇用が問われずして、何が「健やかな意妊娠・出産」か。少子化対策の責任を女性にばかり押しつけ、更には会社でも活用しようとしている現政権に、明るい未来はない。

今回本校でこの副読本を配布する際には、「後日訂正した別紙が配布される」と補足することで了承したが、ついでに訂正版のグラフと元のグラフを比較させて、その意図を探らせ、思考力・判断力を身につけさせる教材として活用してやろうかな。

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