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今年度も3月がやってきました。暖冬と言いつつ、3月の半ばになって急に冷え込みました。山間部では積雪!! 桜の開花予想ははこの寒さだけでなくデータミスでちょっとお預けのようですね。
年度末は別れの季節。卒業、クラス替え、教職員の人事異動などなど、さまざまな別れが用意されています。それがまた、4月のさまざまな出会いへとつながるわけですが、やっぱり3月はちょっぴり寂しい季節です。
別れと言えば、今年度、本県の教職員の現職死亡者が10人を超えてしまいました。私が直接お世話になった方も何人か含まれています。病死、自死、事故死など原因はさまざまですが、男女問わず、少なからず過労が要因のひとつとなっているようです。
残業、早朝からの朝講座、土曜講座、土日の部活動、土日の検定・模擬試験などなど、教職員の超過勤務の実態はここ数年悪化の一途をたどっています。生徒のため、部活のため、学校のため・・・自分の体は二の次三の次。病院へ行くのも先延ばしにして病気の進行を早めてしまっていたり、授業や部活があるからと人間ドックも控えたり。
教職員全てが該当するとは言いませんが、程度の差は若干あるにしろ、自分の体・自分の人権をしっかりと自分で守れる労働環境にないのが学校現場だと思います。
教職員自身が自分の人権をないがしろにしているから、生徒の人権にも鈍感になる・・そんな悪循環もまた、学校の一面にありそうです。昼休みの職員室は、生徒が質問に来たり会議が入ったりと、教職員は休憩時間も満足に取ることは出来ません。自分に休憩時間がないから、昼休みに生徒を呼び出したり会議を入れたりしても平気です。また、昼休みにそうしないと、放課後することになり、それが超過勤務につながります。
このような現状のなか、教育現場でも女性参画推進を進めようともしています。クラス担任、分掌主任、管理職、労働組合の役員などなど、積極的に女性が担おうというものです。しかし、女性教職員からは、「女性は職場でも家庭でも働いているのに、男性が家庭で働いていない。女性参画推進を進めたいのなら、男性の家庭進出をもっと促進して、男女ともに超過勤務を縮減して、仕事と家庭の両立を図るべきだ」という声があがっています。
「過労死するのは本人の自己管理の問題・・云々」と厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会の某分科会委員が発言する憂うべきご時世。愛媛県の総合保健協会の調査結果によると「老後に夫と同居すると妻の死亡率が倍増する。夫が日常生活の多くを妻に依存している高齢者が多く、妻には夫の存在が負担になっている」という(07年1月29日付 朝日新聞)。
教職員自身が働き方を見直し、仕事と家庭と両立して豊かに生きていける労働観をもつことで、これから新社会人になろうとする生徒たちの労働観を育むことにつながると思っています。