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体育大会をジェンダーの視点でチェック

深井恵2005.08.17

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子どもたちの夏休みも残すところあと2週間。夏季補習や夏季研修、3者面談、家庭訪問、2学期の行事の立案、夏休み明けの課題考査の作問などなど、「夏休み」とはいえ、決して教職員は「休み」ではない日々を送っているところですが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

子どもたちが休みだと、教職員も休みだと勘違いされて、なかなか理解されないんですよね・・。どうかすると、家族からも理解されずに、ツライ思いをしてしまいます・・。ま、めげずにがんばるゾ~。

さて、今回は、2学期に行われる大きな行事の一つである、「体育大会」にスポットを当ててみようと思います。最近、小中学校では、涼しい5月あたりに終わらせてしまうところも出てきたり、高校でも1学期中に済ませてしまうところもありますが、それでもやはり、多くの学校で体育大会は2学期の行事として位置づけられているところが多いのではないでしょうか。

この、体育大会、最初から最後まで、露骨に男女「別」ですよね・・。でも、男女混合名簿を導入した学校でさえも、こと、体育大会において、男女別の奇異を察知している教職員は少なくなります。もっとわかりやすく言うと、男女混合名簿を導入しているのに、たとえば、入場行進が男女別に行われていても、変だと思わない教職員がまだまだ多いってことです。

この入場行進、やめちゃった学校が、小学校を中心に増えてきているらしく、いいことだなぁと思います。高校でも、体育大会で行進しなくなった学校が少しずつ出てきています。「行進」なんて、自衛隊と刑務所と学校関係しかしませんよね・・・。でも、行進を観察してみると、学年別、男女別で背の高い順に並んで、左・右・左・右・・・とさせている学校が、まだまだ多いのが現状です。

「行進なんて、なくていいのではないか」、「男女混合に並んで行進してもいいのではないか」などと意見を出すのですが、なかなか受け入れてもらえません。

よくある反論が「整然と足並みを揃えることによって、集団としての美しさが表現される」、「男女混合だと、歩幅が合わない、体操服がばらばらで見苦しい」と言ったものです。

「オリンピックだって、バラバラの足並みで入場しているではないか」「歩幅が違う生徒同士が、お互いを思いやることで歩幅を合わせることが大切だ」などと、さらに反論するのですが、なかなか切り崩せません。

「今年は試しに、学年別・男女別で女子が先ということで行ってみてはどうでしょう」と、望まない方法で実施されたこともあります。男女別にしたいわけじゃないし、何の解決にもなってないけど、百歩譲って、試しに、女子の後ろを男子が歩くってことも、最終段階の一歩手前の段階ってことで妥協しました。女子の後ろを歩くことを経験した男子は、若干なりとも複雑な思いを経験したようでした。今年もまた同じような議論を繰り返すことになりそうです。(・・ちょっとうんざり・・・)。

カップルで歩いていて、歩幅が違うからと、すたすた先を一人で歩いていくような男(あるいは女)でいいのか? 歩幅が違っても、相手の歩幅を考えて、足並みを揃えて歩くことだって、出来て当たり前なのではないか? などなどあれこれと意見を出してはいますが、う~ん、体育会系のいままでの伝統(?)を切り崩すのは、容易ではありません。

種目の一つ一つをとってみてもしかり。徒競走は男女別。綱引き、騎馬戦、棒引きなどの団体競技もほとんど男女別。クラスで男女にかかわらず力を合わせて競い合う競技なんて、皆無です。リレーも、男女で走者が決められていたり、男女で走る距離が違ったりと、ことさらに男女を区別したがります。

でも、ちょっとだけ、一筋の光もあります。最近はやりの、40人41脚。これは、男女問わずクラスで気持ちを一つにして、協力して競い合う競技で、男女の差が出にくい競技です。この手の種目の開発は、学校ではまだまだ途上で、もっと沢山、このような競技が増えていくことを期待しています。

この秋、全国各地で行われる体育大会。ジェンダーの視点でチェックして、子どもたちを応援するのも面白いかもしれません。そして、気づいたこと、改善したほうがいいと思ったことは、積極的に学校に訴えていきましょう。

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