コラムを書き初めてちょうど1年になります。1年間、学校を巡る少々堅苦しいお話におつきあいくださりありがとうございます。
さてさて今回は、来月3月末日までに策定することが義務づけられている「次世代育成支援対策推進法」(05年から10年間の時限立法)に基づく行動計画についてのお話です。
03年7月に制定された「次世代育成支援対策推進法」により、地方公共団体(市町村及び都道府県)と事業主等は、国の定めた行動計画策定に即して、地域における子育て支援、親子の健康の確保、教育環境の整備、仕事と家庭の両立等について、目標を設定し、その目標達成のために講ずる措置の内容等を記載した行動計画を、05年3月末までに策定することとなっているのです。
・事業主等行動計画の策定
1. 一般事業主行動計画(企業等)
* 大企業(301人以上):義務づけ
* 中小企業(300人以下):努力義務
* 特に対策を推進している事業主の認定
2. 特定事業主行動計画(国、地方公共団体)
* 住民の意見の反映、策定・公表
具体的な内容はと言うと・・・
育児休業の取得しやすい環境作り、男性の育児休業取得率の向上、超過勤務の縮減、休暇取得の促進等々、いままで以上に一歩踏み込んだ内容になっているようです。しかし、これらの行動計画が、「次世代」のためだけでなく、子どもの有無にかかわらず、働くものが豊かに暮らせる社会作りに向けての視点から策定されるよう、注視していく必要もあるでしょう。
一方、教職員の立場から、ちょっと気になる項目があります。それは、「子どもによりよい教育を受けさせるために、不適格教職員への厳格なる対処」が、盛り込まれている点です。公務員に評価制度を導入しようとする動きもある中、為政者の都合により、「よい教育」が規定され、「不適格」教職員が処分される虞はないか、こちらも気をつけねばならないでしょう。
また、市町村・都道府県の行動計画策定、企業の一般事業主行動計画に関して、一般の方に意見を求めていたり、委員を募集していたりするので、みなさん、より生活しやすくより働きやすい環境整備を求めて、各地域で声をあげていきましょう。
また、この行動計画は、5年後に見直し(自治体等によっては、概ね3年ごとに見直しを行うところもある)することや、毎年少なくとも1回、行動計画等に基づく措置の実施状況を公表しなければならないこととされています。策定しただけで満足せず、地域住民への周知徹底、その後の対策実施や計画の見直し等に反映させることも必要なのです。行動計画策定とともに、見直しの手続きがスケジュール化されているかもチェックして、機会あるごとに意見反映を図りましょう。