04年11月27日(土)大分県別府市のビーコンプラザで、「タウンミーティング」(小泉内閣の国民対話)が、内閣府大臣官房タウンミーティング担当室の主催で行われました。テーマは「教育改革~考えよう義務教育~」。大分県の別府市が会場ということで、かなり遠くではありましたが、せっかく九州が会場なのだからと、意を決して参加してきました。ついでに別府温泉を楽しもうなどという別の目的もあったりして・・(こっちがメイン?)。
まずは参加申し込み。事前にハガキかファックスかメールで希望を出して、抽選に当たったら参加できるのです。住所・氏名・年齢などなどプライバシーをなげうって(?)、申し込みます。運良く抽選に当たり、参加証と資料が送られてきました。
当日は、会場入り口で身分証明書を提示して、荷物検査もされて、空港で通るような金属探知器(?)をくぐって、・・・ペットボトルは持ち込み禁止。厳重な警戒態勢の中、こんなに参加者を疑ってかかるようなやり方でいいのかなぁ・・などと思いながら会場に入っていきました。
会ではまず、小泉改革がいかに進んできたかという内容のビデオを見せられて、続いて中山文部科学大臣によって、教育をめぐる課題や義務教育改革の方向性などが説明されました。その後で、「会場参加者と登壇者による対話」が始まりました。登壇者は中山文部科学大臣、田村哲夫中央教育審議会委員、森隆夫お茶の水女子大学名誉教授の3人でした。
この「対話」ですが、まず、参加者のうち発言したい人が挙手して、進行役のアナウンサーに指名されたら発言できます。手を挙げる人が多くて、手を挙げた人全員に発言する機会が保障されているわけではありませんでした。しかも、発言者は制限時間が2分。3人ほどの参加者発言を受け、中山大臣等の登壇者による回答・説明があり、次に新たな質問を3人ほど受け、大臣等による回答・・といった運びでした。つまり、最初に質問した人が、その質問に対する大臣等の回答に対して再質問をするというチャンスは全くなかったのです。不本意な回答が多く、聞いていて本当にストレスがたまりました。
また、参加者の中には「大分では自虐的な平和教育ばかりが行われているようだが、どう思うか」「子どもの運動会を見に行ったら、男女一緒に徒競走をしていてがっかりした」などといった発言も飛び出し、例の中山大臣の問題発言へとつながっていったのです。以下、登壇者の主な発言です。
中山文部科学大臣の発言「やっと最近、歴史の教科書から従軍慰安婦や強制連行などという言葉が減ってきたて本当に良かった」「どの国の歴史にも光と影がある。悪かったことは反省しなければならないが、全てが悪かったという自虐史観に立った教育をしてはいけない」「小さい頃から男も女も同じだということだと、どういうことになるのかなと思う」
田村哲夫中央教育審議会委員の発言「男女雇用機会均等法ができて以降、理系に進む女子が増えてきて、家庭教育が変質してきた。かつて家庭で教育していたことを、いまでは学校が肩代わりして教育するようになってきている。もう一度家庭や地域が担うべきことを考えてほしい」
森隆夫お茶の水女子大学名誉教授の発言「学力向上は賛成するが、心の教育をもっとしかりと行わなければならない」
一般参加者からの最後の発言に「欧米諸外国では少人数のクラス編成で、しかも男女混合名簿での教育が当たり前。そもそも名簿と言えば男女混合であって、男女混合名簿などと言う名称そのものがない。そういった教育環境で一人ひとりに行き届いた教育をおこなっている・・云々」といったものがあり、少し救われた思いで、別府を後にしました。
全国各地で行われているタウンミーティングの様子をご存じの方、ぜひ教えてください。