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みなさま、こんにちは! ファッション&フェムテック リポーターの大杉真心です。
夏の暑さに加え、コロナウイルスが猛威を振るっていますが、いかがお過ごしでしょうか。

2回目の寄稿で、大変久しぶりの更新になります。第1回のコラムからなんと半年も経ってしまい……更新ができておらずでした。楽しみにしていただいた方々には、大変お待たせしてお詫び申し上げます。この半年間で、たくさんの方々にお会いして取材をさせていただいたり、大学の非常勤講師になり教壇に立ったりと、楽しみながら働いてまいりました。一日、一週間、一カ月の時間の経過が本当に早く感じております……。

さて、今日は私がフェムテックに興味を持って、仕事として携わることになったきっかけをお話しできたらと思います。私がフェムテックと出会ったのは2019年春頃。当時からファッションメディアでライター&エディターをして活動しており、当時からファッションに留まらず、世界中のトレンドを調べたり、取材したりしながら情報を発信してきました。

2017年に世界中で性暴力とハラスメントを告発する「#MeToo運動」が活発になり、人々が今まで沈黙されてきた問題を多くの人が公表することで、世の中を変えていこうとするムーブメントが起こってきたのを目の当たりにしました。そこから女性エンパワメントの流れが強くなり、タブーを考えるきっかけが増えていって、女性主体の企業や取り組みに焦点が当たることが増えていった時期でした。

その時、欧米メディアでよく目にするようになったのが「フェムテック」というワード。女性たちが自らの健康課題を解決するために製品を開発していることから、必然的に経営者も女性が多いのも特徴。初めて見るアイテムの数々に、新しいビジネスの可能性を感じてワクワクしたのを覚えています。そこで紹介されていたのが、ニューヨーク発の吸水ショーツブランドの「シンクス」。ショーツ一枚で過ごせるという話に衝撃を受けて、すぐにオンラインストアで購入しました。

私はもともと生理痛が強くあるタイプで、仕事に影響することもありました。当時はそれを当たり前だと思い込んで鎮痛剤を飲んで対処することがほとんど。一方で通常のサニタリーナプキンから、オーガニックコットンのナプキンに切り替えたときに生理痛の痛みがひいた感覚を持ち、「使用する製品で、違いがあるのかも?」と気がつき始めたのもその頃でした。吸水ショーツを使い始めてからは、その快適さに感動。「フェムテックをもっと知りたい!」とリサーチをするように。そこから取材を始めるようになりました。

取材の初期段階から、婦人科の先生たちにお話を聞く機会があり、女性の体の仕組みや月経について勉強することができ本当に恵まれていました。学んでいくうちに自分の身体に起きていることなのに、全く知らなかったんだな……と自省。また「そうだったのか!」の連続で、目から鱗の日々でした。
特に私が驚いたのは下記のようなこと。

「生活に支障が出る生理は、月経困難症の場合がある」
「生理痛がひどかったり、経血の量が多かったりする人は、子宮に関する病気が潜んでいる可能性がある」
「日本では避妊薬として知名度の高い低用量ピルはPMS(月経前症候群)や月経困難症の治療薬として処方されている」
「昔の女性が経験する生理は生涯50回ほどで、現代女性は約9倍の450回ほど来ている」

などなど…….。
学校では教えてもらえなかったことばかりです。これまで医学的な学んだことはありませんでしたが、これを機に女性の健康課題に関する書籍を集めて、少しずつ勉強しています。

吸水ショーツを使うようになってからは、さまざまな種類のフェムテック製品を試してみて、組み合わせて使うことが増えました。国内でも吸水ショーツの種類が増えていき、デザインや機能の選択肢も拡大。

「そろそろ生理がきそうだから薄いタイプを履いていこう」
「多い日だから、今日は安心なボクサー型にしよう」

など、使い分けをすることで、自分の身体と向き合う時間が増えました。ショーツとブラの上下セットも出てきているので、生理のときもファッションを楽しむ感覚で下着を選ぶこともできるようになりました。もう2年以上は吸水ショーツを中心に、量に合わせて月経カップや布ナプキン、外出時にはトイレに流せるシンクロフィットを使って乗り切っています。友達に話を聞くと、また使い方が異なって、みんな自分に合った方法を見つけているようです。

外に目を向けると、まだ「生理」という言葉を口に出すのに抵抗がある方もたくさんいるように感じます。女性でも、誰にも相談できず、悩んできた人も多いのではないでしょうか。男性でも、急な女性の体調不良を理解できなくて困った経験がある方もいると思います。肌感覚的にフェムテックの広がりで、少しずつ生理について話しやすくなってきたように感じますが、まだまだかなというのが正直なところ。もちろん、話したくない方は話さなくてもいいんです。しかし知識を持つことで、悩みが解決できたり、病気の対策ができたりとメリットもあると思います。

そんな中、7月26日に書籍『こんにちは!生理』(集英社刊)が発売するそうです。著書はオーストラリアの人気パーソナリティで作家のユミ・スタインズさん 、医師のメリッサ・カンさん。10代からわかりやすく生理のことをかわいいイラスト付きでしっかり解説している一冊です。
翻訳を担当したのは、 ラブピースクラブ代表の北原みのりさん! 生理の上手な乗り切り方から、生理痛のこと、ホルモンサイクル、セックスのことまで。月経カップや吸水ショーツの使い方も網羅しています。こんな本が10代のときに読みたかったな……と素直に思います。



ラブピースクラブでは7月20日(水)~8月2日(火)まで、『こんにちは!生理』 の発売を記念したイベントを西武池袋本店で開催していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

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大杉真心

大杉真心(おおすぎ・まみ)

大杉真心(おおすぎ・まみ)
ファッション&フェムテック リポーター
東京生まれ。文化女子大学(現文化学園大学)とニューヨーク州立ファッション工科大学(F.I.T.)でファッションデザインを学ぶ。約9年間所属した「WWD JAPAN」では編集記者として、国内外のウィメンズコレクション、バッグ、シューズの取材を担当。2019年からはフェムテック分野を開拓。21年8月に独立し、ファッションとフェムテックに関する編集、執筆、企画に携わる。

 

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