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中絶薬は承認されても配偶者同意はそのまま 〜TheGurdianの記事から〜

Justin Mccurry2022.06.01

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※この記事は5月31日にThe Gurdianに掲載されたJustin McCurry氏の記事をご本人の了承を得て、イギリス在住の助産師のJunko Ozawa氏が翻訳してくださいました。

 妊娠中絶薬を英国の女性が利用できるようになってからすでに30年たつ。日本でも2022年後半やっと承認されると予想されている。 日本の1948年の優生保護法(後に母体保護法に改正)の下では、外科的中絶についてごくわずかな例外を除いて、配偶者の同意が必要とされている。これは女性のリプロダクティブの権利と健康を侵すものとして除いて、中絶を安全なものにすることを求める活動家たちは声を上げ続けてきた。 そしてなんと、日本に住む女性は、妊娠中絶薬の処方の条件としても配偶者の同意が必要なままであるとことがいま議論をよんでいる。

 ブルームバーグによると、厚生労働省こども家庭局の橋本泰宏氏は今月初め、参議院厚生労働省委員会に「中絶薬による中絶でも原則として配偶者の同意が必要になる」と述べた。 Action for safe abortion (#もっと安全な中絶をアクション) はこの母体保護法の配偶者規定の廃止を厚生労働省に求めている。

 メンバーのひとり、塚原久美氏は
「配偶者同意規定があることで、中絶を求める女性に、配偶者が妊娠を続行させ出産を強要する事態が発生している」と述べる。
「女性にとって、望まない妊娠を強いられることは、暴力で拷問です」

 この配偶者合意規定は悲劇的な結果をもたらすこともあある。昨年、中部日本の公園で生まれたばかりの赤ちゃんの遺体が発見された後、21歳の女性が逮捕された。執行猶予5年を言い渡された女性は、パートナーから書面による同意を得ることができなかったため、中絶を受けられなかったと裁判所に語った。

 かねてから厚生労働省は、妊娠の父親と連絡が取れなかった場合は配偶者同意要項規定に当てはまらないと提示しているが、現場の医師が複数名この女性に同意なしでは中絶することを拒んだ結果の悲劇である。日本のメディアはまた、性的暴行を受けた女性の妊娠中絶を医師が承認することを拒否した事例も報道しており、厚生労働省が日本医師会に書面でこの周知を要請する事態が起きている。

 #もっと安全な中絶をアクションは、70か国以上で長い間利用可能であった薬を日本が承認していないことは、日本の男性優位の議会と医学界が長らく女性の健康を軽視してきたことのあらわれだとしている。日本の議会は40年かけ1999年にやっと経口避妊薬を承認したが、勃起不全治療薬バイアグラの承認にはわずか6か月しかかけなかった、と塚原久美氏は述べる。

 2021年12月、英国の製薬会社ラインファーマ・インターナショナルLinepharma Internationalは、2つの薬の組み合わせの中絶薬の承認を厚生労働省に申請しており、1年以内の承認が期待されている。 2020年の日本の外科的中絶件数は145,000件である。第三者(配偶者)同意要請規定は世界保健機構WHO と国連女性差別撤廃委員会から廃止するように勧告をされている。中絶に配偶者同意規定がある国は世界で11カ国にすぎず日本はそのうちの一つである。

 静岡大学人文社会科学部教授の白井千晶氏は、
「中絶には配偶者の同意は不要であり、母性保護法から除外されるべきである」
と述べた。

 日本の健康保険は中絶をカバーしておらず、#もっと安全な中絶をアクションは、中絶薬が法外に高価になることも警戒している。 日本のメディアの報道によると、中絶薬の投与を10万円(780ドル)と外科的中絶とほぼ同じ費用にする予定があり、中絶薬の服用が入院を含む厳格な医学的監督の下で行われる可能性もあると言われている。

「現実では、経済的な理由で中絶に手が届かない女性がいます」

と白井氏は語る。

「避妊、中絶、妊娠、出産はすべて公的資金で賄われるべきです」

 野党社会民主党の福島瑞穂議員は、中絶費用が高額で配偶者の同意が必要なため、望まない妊娠の続行を強いられている女性がいると警告した。

「女性は男性の所有物ではないのです」

と福島は厚生労働委員会で述べた。

「男性の権利ではなく、女性の権利を保護する必要があります。なぜ女性の中絶に配偶者同意が必要なのですか? 彼女の体は彼女のものです」

※この記事は2022年5月31日に修正され、LinepharmaInternationalによる2つの薬の朝のアフターピルまたは緊急避妊薬の組み合わせに関する以前の説明を修正しました。

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