フラワーデモでは刑法に関する勉強会を行っています。
第一回のフラワーデモ刑法勉強会は、弁護士の村田智子先生をお招きし、3月に連続した性犯罪に関する無罪判決の判決文を全文読まれた村田先生による解釈を伺いました。検察(被害者)と弁護士(被告側)が何をそれぞれ主張したのか。裁判所の出した無罪判決は、どのような事実を認定し、なぜ出されたものなのかを、丁寧に学ぶ時間になりました。
刑法は明治時代に男性たちがつくった法律です。法律の言葉そのものが「男の言葉」であり、女性の人権、セクシュアルヘルスやリプロダクティブヘルスの観点もなければ、性暴力という言葉もなく、その概念もない。
それでも、声をあげた被害者たちや、その声を引き受け共に闘った法曹界のフェミニストたちによって、近年の判決は以前ほど被害者に酷なものではなくなってきたという実感が、法曹界の中にいる方々にはあるそうです。
例えば、抗拒不能条件にしても、以前は激しい暴力を受けていないと認められなかったものが、今は、心理的な抗拒不能であることも認められたりなど、性暴力被害の状況が明かに連れて判決も変わってきたと言われています。
ところが、そのような「時代の流れ」に逆行したのが、3月に続いた無罪判決でした。 これは「たまたま」なのか。「増えている」のか。昔と「変わらないのか」。全体像はなかなかみえてきません。それでもやはり、未来は変えたいと思う。フラワーデモに参加する人々の声が、未来を変える力になることを強く願いいます。
そのためにも、私たち自身が性犯罪刑法について学び、法曹界の「常識」を外側からみつめ、知識と言葉を持っていくことが重要だと考えています。
フラワーデモで出会ったある女性が仰っていました。
「受けた傷を知恵にしたい」
そして、同じ苦しみを味わう人が少しでもなくなりますように。
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2017年6月、明治時代につくられた性犯罪刑法の大幅改正が行われました。
3年以上の有期懲役だったものが5年以上に変更され、男性器が女性器の挿入されたのみという限定的な定義が、口腔性交・肛門性交を含め、被害者・加害者を性別で限定しなくなり、非親告罪となり、新たに監護者性交罪・監護者わいせつ罪が親切されました。
とはいえ、性交同意年齢が13才のまま残されたこと、公訴時効が10年であること、暴行脅迫要件が残されたこと、地位関係を利用した性行為など、被害者の立ち場に立てば非常に重要な課題が残されています。
2020年には、刑法改正の見直しの有無が決まります。なぜ見直しが必要なのか。
今の刑法の問題点、他国との比較、今後の課題、私たちがすべきことを学びましょう。
講師は一般社団法人Springの代表山本潤さんです。Springは2017年に設立された日本初の法人化された性被害者当事者団体です。
山本さんご自身も当事者として、また性暴力被害者支援看護師として、性暴力問題を積極的に社会に発信し、性暴力被害を受けたその後の人生を支える活動を行ってこられました。膨大な知識と現場の体験から、現在、2020年の刑法改正の見直しに向け詳細なお話を伺います。
【第二回のフラワーデモ刑法勉強会〜なぜ刑法改正が必要なのか〜】
講師:山本潤さん(一般社団法人Spring代表)
日時:2019年8月9日 19時〜(開場18時45分)
場所:東京都文京区本郷7−2−2本郷ビル7F
費用:2000円(学生1000円)
定員:30名
お申し込み:koe@flowerdemo.org(お名前とご連絡先をご記入下さい。定員に達した場合お断りすることもあります)