希望の花を、自分に、友人に、そして今まで戦ってきた女性たちへ。

ちょうど一月前、花をもって東京駅前行幸通りに集まった。
性暴力事件への無罪判決に対する抗議や戸惑い、またそんな声への弁護士等よる冷笑への抵抗。私たちは、言葉が必要で、仲間が必要だった。

想像を超えた多くの人が集い、全国から共感の声が集まる一方で、リベラル弁護士やジャーナリスト等からの批判も増した。刑事裁判の無罪を一般人が批判することに、この国の弁護士がこれほどセンシティブにならざるを得ない状況はわかる。それほどこの国の検察権力の闇は深いということなのだろう。

だけれど、私たちが声をあげた事件はそもそも、「えん罪かどうか」が疑われる事件ではない。被害を受けた女性側に合意がなかったことを裁判官が認めている。その上で無罪判決が出されることに、疑問の声をあげているのだ。「合意のない性交＝レイプ」が何故罪に問われないのか、と一貫して話している。

性暴力に関する刑法に問題があるのではないか。であれば変えたい。
裁判官にジェンダーの視点が全くないのではないか。であれば変えたい。
検察が立証責任を果たせていなかったのであれば、捜査の過程にどのような問題があったのか。そこにジェンダーセンシティビティはあったのか。性暴力問題への深い理解はあったのか。知りたい。

法律は女性の顔をしていなかった。
「日本の女子大に何故法学部がないんですか？」と、韓国のフェミニストに指摘されたことがある。調べると、京都女子大には法学部があるけれど（日本初の女子大設置の法学部で、未だに唯一？）、韓国の名門梨花女子大学が設立当初から法学部に力を入れ、法曹界に女性を送り込み続けてきた歴史とは大違いだ。日本は法曹界から女性は排除され、女性教育に法律家を育てる視点は欠けていた。
1960年代に法律を学んだ弁護士の角田由紀子さんは、当時は刑法としての強姦罪や強制わいせつ罪についてしか学ばず、そもそも性暴力という言葉はなく、被害者の視点で学ぶ姿勢は一切なかったと「性と法律」（岩波新書）で記されている。この状態は今の日本の法律家にも未だに一般的な状況だとも指摘されている。

ジェンダーを知らない、フェミニズムも知らない、性暴力被害者に会ったこともない。そういう法曹界で、性暴力は裁かれてきた。そもそも法律で裁かれる性暴力など氷山の一角で、性差別構造を再生産する社会で、女性の多くが記憶の奥底に、石のように固まった性差別、性暴力の痛みを抱えて生きている。

「これは性差別です」「性暴力です」
そう名付けることからフェミニズムは始まった。
名付けられたものの中身を知ろうともしない司法関係者が性暴力事件に関わっている恐怖を、これ以上味わいたくない。
そしてリベラルを標榜する弁護士やジャーナリストたちによる、性暴力問題をえん罪問題と両論併記することがリベラルであるというような暴力的な視野狭窄ぶりに、これ以上巻き込まれるのは耐えられない。

今日、５１１．大阪の友人たちがフラワーデモを企画しました。私も大阪に行きます。５１１＠大阪を発表したところ、東京や福岡でも、前回参加出来なかったという方々が自主的にフラワーデモを立ち上げて下さいました。全国色んな場所でやっていきましょう。色んなところで自由に花もって、話していきましょう。今日、大阪には性暴力問題を取材し続けている小川たまかさんもいらっしゃいます。色んな地域に行って、色んな人と話したいです。
本気で、変えたいのです。

511 19:00〜
＠大坂　なにわ橋駅１番地上出口 中央公会堂向かい
@東京　前回と同じ行幸通り
＠福岡　天神・警固公園横ソラリアプラザ側道路

フラワーデモは花を持つ、または花柄のなにかを身につけて集まります。
希望の花を、自分に、友人に、そして今まで戦ってきた女性たちへ。