セクシストをぶった斬る!新たなお笑いの幕開け、フェミニスト・コメディ・ユニット「ハッカパイプス」
2019.04.11
今、ラブピ的にもっとも注目度の高いお笑いといえば・・・フェミニスト・コメディ・ユニット「ハッカパイプス」!!!!
3月29日開催のハッカパイプス初の単独ライブでは、会場中の熱気が尋常じゃないことになり、お笑いの歴史が動いた瞬間に出会ったと興奮さめやらぬスタッフKです。
ライブが進むにつれ、会場のお客様が文字通り前のめりになって最終的に30度くらいの角度となり、ドカンドカン沸き立つ会場を最後尾から見たあの景色、忘れられません。
「お笑い番組を観なくなった」という声を最近周りでよく聞きます。
テレビでなくても楽しめる娯楽も増えたし、何より女性蔑視的な笑いがもうキツい。
一方、「お笑い的な振る舞い」は、空気を読む処世術として私たちの身の回りでトレースされてることも多く、影響の強さも感じます。
私なんて美人ではないし、おばさんだし、未婚だし・・・・自ら自分の価値を下げておどけてしまうのは外から攻撃される前の、せめてもの自衛。
最近では、お笑い芸人が情報番組の司会やコメーテーターを務めることも多く、影響の強さは尚更かもしれません。
スタッフKは、テレビの中で「言ってはいけないことをあえて晒す」ことで笑いをとるような・・・露悪的なお笑いど真ん中世代。
当時腹を抱えて笑い転げてた芸人が、いまや中堅以上の座に座り、笑いの矛先に向けるのは、女性の容姿や年齢や自意識を嘲笑する“いじり”。
以前女性芸人が、テレビで先輩芸人から容姿についておもしろおかしく“ツッコミ”を受けた際、来日してゲスト出演していた歌手のアリアナ・グランデから「あなたはかわいい」と擁護されたというエピソードも、日本のお笑いコードがもはや世界的にアウトであることが周知されたものとして記憶に残っています。
そこに颯爽と登場したのが、ハッカパイプス!
訥々とセクシストを諭していくさいとうさんと、一網打尽の勢いでセクシストを駆逐するあきおさん。タイプの異なるふたりがバディを組んだら、最強です。
コントあり、漫才あり、スタンダップありの盛りだくさんの内容だったのですが、ネタにされるのは全てセクシストにまつわるエピソード。
広告業界に見られるセクシズム、就活の際に遭遇したセクシスト、男子学生の多い理系の学部で遭遇したセクシズム・・・・彼女たちの鋭い観察眼からセクシストをぶった斬り!!
うわ〜っっ!!!!これ、私も遭遇したことある〜〜〜〜〜!!!と会場中、共感の渦。
単なる誹謗や侮蔑がお笑いとされて久しい中、風刺とジャーナリズムの精神に溢れたウィットに富んだお笑いを、久しぶりに見ました。
シリアスになりがちな女性蔑視や差別の話題も、ハッカパイプスの手にかかれば軽やかに笑いに昇華されていく。
ここで晒されるのは、男性中心主義の社会で受けてきたヒリヒリした痛みで、自分より弱いものを貶めたり蔑むような、いじりという名のいじめはありません。
一人で抱えていたモヤモヤもスッキリ。巧みな「芸」がある、これぞ芸人!!!!
会場を後にするお客様たちが、みなさん、風呂上がりのようなサッパリした顔つきになっていて一様に「笑って癒された」と仰っていたのも印象的でした。温泉的効果まであるハッカパイプス!
テレビのお笑いを見られなくなっている人、日頃の鬱憤が溜まってる人、機会があったらぜひ見てください。
次のライブは10月開催予定のフェミフェス。
それまでの間は、是非、ハッカパイプス連載「ヘヤビアンの部屋」をお楽しみください。
全国のフェミニストのみなさま必見です!!!!
(スタッフ・K)