| VOL.28
|
「嗚呼!!キャサリン・マッキノン!!」
|

こんにちは。アジ原ゲバ子でございます。
先日、1月14日、ゲバ子は明治大学へと勇んで向かったのでございます。なぜか?
ゲバ?ノンノン。デモ?ノンノン。ピケ?ノンノン。
な、なんと、あのキャサリン・A・マッキノンが来日し講演するというのであります
!!
キャサリン・A・マッキノンー泣くフェミも黙る、マッキノン。
80年代のアメリカで「反ポルノグラフィ公民権条例」をアンドレア・ドウォーキンと
ともに立案し、あるいは全米のロー・スクールで教鞭をとりながらセクシャル・ハラ
スメントなどの重要な事件に関して法廷に立って理論の発展に尽くし、近年では1998
年からニューヨークの裁判所で旧ユーゴのジェノサイド(人道に対する罪)として敢
行された集団レイプの被害者の方たちの代理人として、当時のボスニアーセルビア大
統領を名乗るカラジッチに対する損害賠償裁判を先頭にたって行っている、あのマッ
キノンである。
法律という世界にフェミニズムの心血を注ぐべく活躍する、法律家であり、実務家で
あり、活動家である、あのマッキノンである。
・ ・こう書いているだけでもマンコがキュっと締まる、そんな感覚を覚える、マッ
キノン。
「な、なんだか、こわそうだー」とか、
「なんだかんだいって、マッキノンの著作を全て精読はしとらんなー」とか、
「ゲバ子は自分に気持ちいいポルノ(?)も考えたいなあ」とか(ゲバ子とマッキノ
ンのポルノの定義が違う。ただゲバ子はチンコ星人が生産している今の大半のポルノ
に吐き気と寒気を覚えるし、マッキノンがドウォーキンと1984年に起草したインディ
アナポリス市の条例は、オンナ(他に子供や男性も)を実際に肉体的に痛めつけるの
を愉しむポルノに出演して被害を受けた人が、その出版社や作者に対して刑罰でなく
損害賠償を請求したり差止め命令を求めることができるもので、「表現の自由」とは
関わりのない至極真っ当な条例だと思う。後に違憲と判断されるが。)
色んな思いがありつつも、ゲバ子は明治大学へ向かった。
そう、ゲバ子はマッキノンに会いたい!
そう、ゲバ子はミーハー。ゲバ子はお調子者。
明治大学だからきっとヘルメットを被りゲバ看を持ち歩いても目立たないだろう、と
思い、一張羅のヘルメットと歓迎ゲバで直行した。
さて、そもそもなにゆえ、明治大学がマッキノンに講演を依頼したのか?
このシンポジウムは、「フェミニズムと法学教育」と題され、マッキノンのほかに、性差別と
暴力の問題に取り組む角田由紀子弁護士や女性の労働問題に取り組む浅倉むつ子先生
など、そうそうたる面々が集っているのである。なぜ?
実は、今各大学は「司法制度改革審議会最終意見書」が提案した、「法科大学院
(ロースクール)」を自分の大学に誘致しようと躍起である。
「法科大学院」構想とは、それまで法曹資格を得るには難関の司法試験をクリアしな
ければならなかったものに代えて、アメリカのロースクールを参考に、ある一定期間
(2,3年)ロースクールで学べば大方法曹資格が取れるようにする(その合格率は大
学間で差が出ると思われる)ものである。
しかしながらこの「司法制度改革」と「法科大学院」構想。
小泉チンコ星人が唱える、時代遅れのかつイギリスやアメリカで失敗が実証されてい
る「規制緩和」や「競争市場主義」のもと、奨学金を支給してきた日本育英会がなく
なったり大量失業者時代を迎えるのに、「法科大学院」にかかる授業料が総額1000万
円になるということや、
小泉チンコ星人の下、企業が首切りをしたいようにする解雇ルールの改悪が行われよ
うとしていることや、
今日にいたるまで戦後補償裁判で(唯一国の賠償責任を認めた関釜裁判地裁判決を除
く)などで日本の司法が解決のために機能を果たしてこなかったのは何故かというこ
とや、
なぜ国を相手にした国家賠償責任請求訴訟で原告が勝訴しにくいのかということなど
を
一切問うことなく進められているのである!!
きわめつけは、「司法制度改革審議会最終意見書」の118ページの中で、裁判官や検
察官のジェンダー教育や、法曹人口の半分を女性にすることなどをはじめとする、
ジェンダーをめぐる記述は一切ないのである!!なぜ今だに「オンナの抵抗がすくな
い」からといってセクハラの賠償額が減額させられるのか(2001・3・29仙台高裁判
決)も不問のままである!!
これが改革??そしてその流れでの「法科大学院」構想なのである!!
そんな中で、各大学は少子化にともなう学生減少を防ぐべく、学生集めに躍起。そこ
で明治大学は、「フェミニズムといえば明治」という特色を出そうということらし
い。
とはいえ、パネラー以外司会以下全部オトコだったのは圧巻であった。
もろもろの事情はさておき、ゲバ子はマッキノンにウキウキ!!
そう、ゲバ子はミーハー。
目の前で見た、マッキノンは、竹のようにすっと、それでいてどっしりとそこに
座っていた。
「法や学問はあらゆる女性の経験を排除して成立してきた」とマッキノン。
男女間の甚だしい賃金格差、「母」役割を含めた女性従事業の労働評価の低さ、社会
一般の女性の軽視、性と生殖をめぐる自己決定権(リプロダクティブ・ライツ・アン
ド・ヘルス)の選択なしに「母」になること、強制不妊や強制出産、望まないのに性
的に注目されそれが拒否できないセクシュアル・ハラスメント、子供時代の虐待、女
性の性的モノ化、その延長としての人身売買や売春、女性であるから産まれることす
らできないこと、食べ物が与えられないこと、教育の機会が与えられないこと…。
これらの搾取、排除、そして沈黙の強制が男性によって女性に対してなされ、男性は
そういう対象にならないことでまたはそういう行為をすることで利益を得ているとい
うこのシステム。
このようなシステムに対応するのに、「法はこれまでほとんど役割を果たしていな
い。法の根本原理を女性の視点から洗いなおすことが必要です」と竹のようなマッキ
ノンはきわめてはっきりと、竹を割ったように言うのであった。
ゲバ子、うふふ、何を隠そう、実は法学部出身。まだうら若き、なーんにも知らな
い「おばか」な「おぼこ」だったゲバ子は、数年経ってゲバ看板を描きなぐる「性革
命闘士」となり邁進する人生を全く予想していなかったわけだが、マッキノンの言う
「法の根本原理を女性の視点から洗いなおす」という言葉に、アメリカと日本との法
体系の違いはあるも、竹でカッコーンと頭をかち割られたような衝撃を受けちまった
のだ!
確かに、刑法の「強かん罪」が「オンナの性的自由を守る」という建前とはうらは
らに、オンナの過去や性経験の有無、売春をしているかどうか、抵抗などできない圧
倒的に物理的に不利なその時のオンナの状況を無視して必死に抵抗したかどうか、つ
まりひっくるめりゃ「性行為なんて、いやーん」な「ウブな乙女かどうか」が強かん
罪成否の判断材料になったり、そもそも強かん罪がチンコがマンコを攻撃する罪で、
オトコが強かんされたり、あるいは心身ともに傷つけられる「性的自由の侵害」には
変わらないのにチンコがマンコに入っていないと「強制わいせつ」というめっぽう軽
い罪になったり、などということは知っていた。といっても、ゲバ子が大学で教わっ
たわけではない。「性革命」を我が道と決めてから得た知識である。
ところが、マッキノンはそれ以上に「根本原理から問え」と言う。
例えば・・
セクハラなどを受けた場合、民法の不法行為論でチンコ星人を訴えることになるが、
通常民法などは「私法」といって市民社会における対等な個人間のやりとりを規律す
るものである。しかしこのような「私法」の中で訴えて行くことは、被害を、訴える
女性の個人的なレベルに押しとどめる危険性があるという。セクシュアル・ハラスメ
ントが起きる社会的・経済的文脈を考えれば、女性になされた侵害は、もう一つ女性
という社会の半分を占める人間集団に向けられた暴力的構造の一部であるという面が
ある。
となれば、(アメリカの法体系なので日本とは違うが)元来チンコ星人法理論のもと
では「私法」とは厳然と区別される、差別禁止法など「公法」が関わる必要があると
いう。
また犯罪の成否を左右する「故意」や「過失」の認定の際、これまでの理論だとチ
ンコ星人のオンナへの有形・無形の暴力が「無意識だった」という言い逃れができて
しまうこと、損害の算定についてオンナの価値が低く見積もられていること、
契約法では「対等な当事者」が前提とされており、そんな対等な当事者が結んだ契約
はよっぽどどちらかに過酷でない限り自由に結んでお互い拘束されるのであるが、そ
もそもチンコ星人とオンナは対等な当事者なのかということ(おそらくポルノ出演契
約などを念頭においていると思われる)、
刑法における犯罪の抑止、処罰、予防の概念が「犯罪者は例外である」という前提で
成り立っており、「全ての男性が全ての女性に犯しうる犯罪」という認識がないため
に、DV抑止のためには従来の処罰モデルと刑法の目的を見なおしたほうがいいこ
と、
強かんは性差別の一形態ともいえ、売春は連続した強かんともいえ、DVは家庭にお
ける国際人道法上の人道に対する罪ともいえることからいえば、刑法と民法、国際法
と国内法の線引きを見なおしたほうがいいこと、
他に正当防衛、時効、死刑、民事訴訟の当事者適格、……………
ありとあらゆる「ニュートラル」な「正当性」を装った「チンコ星人法理論」を
マッキノンはめっためったと斬っていった!!!
ゲバ子、しびれた!!そう、しびれた!
ゲバ子が知らず知らず抱いていた「法律」の窮屈感と抑圧感―確かにエラソーな言っ
ぷりもあるにしても、それでもどこもかしこも気づいてみりゃ「チンコ星人理論」一
辺倒だったよ、ってのが大きく影響していたんではないか!?
さらに、マッキノンが「法学教育においてジェンダーを主流化していくこと」が法
学教育にできることだと述べ、男女平等が達成されたとみなされるロースクールの条
件をいくつか挙げた。
ゲバ子、またまたしびれた!!マッキノンが言っている条件、それはマッキノンが見
て経験してきたことから抽出されているのだが、ゲバ子が経験したことをまさに語っ
てくれているんだもの…。
条件1.「法女性学」という講座を設けるという小手先でなく、全ての科目の全ての教
科書・授業をジェンダーからみる。
ゲバ子は授業で教科書で一度も「女性差別」を聞いたことがない。憲法の授業ですら
24条の「男女の本質的平等」は議論の対象ですらない。じゃあ、その教室にオンナは
いなかったか?いた。法学部とはいえ3、4人に一人はオンナであった。それなのに。
条件2.女性の教職員がセクシュアルハラスメントを受けない。学者という地位をえる
ために女性が何か犠牲を払わない。
こんな条件ちゃんちゃら揃っていなかった!!ゲバ子の友人は指導教授とは名ばか
りのチンコ星人から深刻なセクハラを受けていた。そのチンコ星人、当該専門分野で
は権威。国連の会議に呼ばれて発言するくらいである。そのチンコ星人、授業中でも
彼女の隣に座り机の下から腿を触る、研究室に呼び出して力づくでキスをする、胸を
さわる、「君がいなくて寂しかった」と電話をする、挙句の果てには電車を待つホー
ムで自分のチンコを触らせる!!ゲバ子は、そんな行為は犯罪であること、ゲバ子は
味方であることを伝え、アカデミック・ハラスメントに取り組むネットワークやその
他やめさせる方法を必死で調べて友人と話し合った。だが、研究者を目指す彼女は、
今後の彼女の学会における立場や彼女を研究者にする人事権などあらゆる権力をもつ
忌まわしいチンコ星人をはぐらかすことを選択。そしていまさら研究テーマを変えて
他の大学に行くことは無理だと判断。体調崩しながら、逃げるように留学をした。
その頃、大学内にセクハラ相談窓口ができたが、構内に設けられたセクハラの相談窓
口の相談員が大学関係者の場合、大学の看板教授などを降ろして学生が減ることを怖
れる関係者が内部でもみ消すとのアメリカの大学の事例を知り、信頼できなくて断念
した。
そしてなんと驚くことに、彼女が執拗なセクハラを受けていることを、同僚(オト
コ)や他の助教授達(オトコ)は知っているのである!!でも言えない。なぜなら、
そのチンコ星人を頂点とするチンコのヒエラルキーでそんなこたあ言えないのであ
る。さらにそのチンコ星人にセクハラに遭っていたともっぱら噂の助教授もいた。彼
女は大学を変わらざるを得なかった。
また、研究したい専門分野のチンコ星人(教授)に「オンナはとらない」といわ
れ、ここ何十年100%の合格率の面接試験に落とされた別の友人が廊下を泣きながら
駆けて行ったのをゲバ子は忘れない。
条件3.秘書が男女同数、学長なども男女同数
全然!ゲバ子のいたゼミナールなんざ、その年新しく入ってきた生徒の中の「キレイ
どころ」(オンナ)を先生の秘書になっていた(先輩から指名がある)。飲み会では
先生の周りは必ずキレイどころで固めるよう、ゼミの皆で気を配っていた。
この先生とは名ばかりのチンコ星人が、アメリカのハーバード出身の「国際派リベラ
リスト」ときたから驚きだ!さらに法学部の中で唯一男女同数いるゼミで、ディベー
トのさかんな「リベラルー」な風の吹くゼミとして名を知られていたのが驚きだ!
条件4.男子学生同様、女子学生も、クラスで自分の居場所はここであるという安心感
を持って話ができること。
「このオンナがさー、ヤラれてから殺されたときは、これは強かん罪と殺人罪が成立
すんのかなあ、強かん致死罪が成立すんのかなあ。ヤッてるときに○○して死ん
じゃった場合とかさ・・」と平然と談笑できるチンコ星人たちに囲まれちゃ、安心感
なんぞ夢のまた夢である。
条件5.フェミニストでなければならないという勇気が不必要。
むしろフェミニストであってはならない、という雰囲気があった。昔、フェミニズム
法学についての論文を書いていた先生(オンナ)に「先生、フェミニズム法学の授業
をしてください」と頼んだところ、「私は研究にイロをつけられたくない。あなたが
やれ」といわれた。
イロ、イロもの…。チンコ星人の理論こそ「王道」とされる世界において、「オンナ
の法律」は「イロ」もの。所詮、亜流。正式な研究とみなされねえってことだ。
そういえば、教職員の中で数少ない女性たちは、皆大人しかった。助教授でも、講師
でも、みな大人しかった・・。
マッキノンは「法学教育で女性は排除されている。一応、真中に据え置かれるが一向
に耳を傾けてもらえない。よって自己規制するようになる。」という。
「イロ」をつけられないように、チンコ星人の毛を逆撫でしないように、研究を続け
て行くために…・・
嗚呼!あのオンナ達は、どうしてるだろう?
そしてこんな環境で一緒に学んでいた、スマート気で楽し気でしたたかだった、友人
達は今どうしてるんだろう?
ゲバ子、悶々としていたものがようやく言葉になったという爽快感と、それに伴って
むらむらと沸いてきた怒りと、虐げられて排除されてきたオンナたちへの限りない連
帯の意思をこめて、このゲバを送ります!!!
嗚呼!!ビブ・ラ・マッキノン!!
「ニュートラル」皮っかぶりのチンコ星人法理論をぶっ飛ばせ!!
|
|
|